多様性を守る
どうして絶滅危惧植物になったか?

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日本で植物を絶滅に追い込んでいる要因のうち、人間が直接関与しているものが全体の約80%を占めます。特に森林伐採と園芸栽培や売買を目的とした採取がその大きな要因になっています。また、地球温暖化などによってもたらされる自然遷移の多くが人間の活動と間接的に関与しています。次にその主な要因を説明します。

絶滅危惧植物の要因(レッドデータブック(環境庁 2000)

自然環境の破壊

東南アジアでは現在でも大規模な森林伐採が行われています。人間生活から排出される多量の二酸化炭素は地球温暖化をもたらしています。これらの自然環境の破壊によって貴重な植物の生育場所が失われています。現在、テレビでよく話題になる環境保全もその目的は生物多様性を守ることにあります。

原生熱帯雨林が、

牧草地になってしまった。(メキシコ、ベラクルス)

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希少な植物

地球上でたった1箇所にしか生育せず、個体数がもともと少ない植物もあります。このような植物は特殊な環境に適応して生きている場合が多く、ちょっとした環境悪化で絶滅してしまいます。その場合、まわりの環境も含めて保全をする必要があります。

地球上で琉球列島の伊良部島にしか分布しない
イラブナスビ(ナス科)

乱獲

絶滅危惧植物が増えた要因のうち、環境破壊は人間生活と密接に関わっていてとても難しい問題です。しかし、園芸売買などを目的とした違法な乱獲はごく少数の人のわがまま以外の何ものでもありません。この乱獲のために多くの植物が絶滅の危機に追いやられています。

園芸価値のある絶滅危惧ソテツ植物Macrozamia mountperiensis(オーストラリア)

園芸価値のある絶滅危惧ソテツ植物
Macrozamia mountperiensis(オーストラリア)

その乱獲の跡

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動物食害

近年、動物による食害が多くの植物を絶滅の危機に追いこみ、問題になっています。九州ではシカの増加による食害がひどく、林床の植物が極端に減少してしまいました。そのシカの増加をもたらしたのは生態系の乱れが要因であると考えられています。

また、尖閣列島の魚釣島などでは家畜として持ち込まれて野生化したヤギが多くの植物に食害をもたらしています。しかし、そのような家畜の食害をもたらしたのは私たち人間であることを忘れてはいけません。

深刻な食害をもたらす霧島のシカ 放牧されたヤギによって貴重な植物も食害を受けてしまう

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