学校授業

自分の木プログラム

1年間観察する「自分の木」を選定し、春,夏,秋,冬の4回観察し、木の成長を学ぶプログラムです。小学校4年生理科、季節と生物の単元に基づいて作成されています。学習シートでは、各回の観察テーマにそった観察ポイントを絞っているため、観察や指導がしやすく、カラーでイラスト豊富なのが特徴です。当園はもちろん、学校の校庭でも実施できます。

プログラムの活用法

■筑波実験植物園の場合

植物園では、少人数〜1150名程度まで同時に授業が行えます。観察するにふさわしい樹種30種あまりをあらかじめ設定してあり、ラベルがついた樹木の中から各生徒が自分の木を選ぶことができます。長時間園に滞在される場合には、他のラリーとセットで行うのがおすすめです。

■校庭の場合

実施前には、観察する樹の名前を調べる必要がありますが、一度決めてしまえば、あとは1時間の理科の授業内で実施できます。

観察に適する樹木は以下の通り。

  • 低い木(子供たちが観察できるよう)
  • 広葉樹

落葉樹と常緑樹を選ぶと友達の木との比較が明確になります。

<春>

春は、自分の木を選ぶことがテーマです。ポイントは名札の付け方で、名札をつける位置を基準に、枝の変化を調べます。木を選ぶのと、名札をつける作業があるので、1年で一番時間がかかります。

春

園内であらかじめ選定された木から、 自分の木を選んでラベルをつけます。(植物園にて)

<夏>

元気いっぱいな植物の様子が観察テーマです。多くの木で、春と比べて枝が伸びる様子が観察されます。葉っぱの色やかたち、つきかた、毛にも注目してみましょう。観察が終わったら昆虫にも目を向けて、他の生き物の様子も比べてみましょう。

夏

どれだけ伸びたかな?(校庭にて)

<秋>

涼しくなって、葉の色が変わったり、葉がおちたりしています。この時期は、実がある植物も多いので、枝だけでなく植物全体にも目をむけてみましょう。時間に余裕があるときは、自分の木のこれまでの変化を発表しあうと、お友達の木との違いに気づくことができます。

秋

観察前に各回の観察ポイントを説明(植物園にて)

<冬>

冬は芽がテーマです。学習シートでは、芽鱗痕(がりんこん)という難しい言葉が出てきますが、これがはっきり残る植物では、1年間の枝の伸びがわかります。また、春に芽が展開し、夏〜秋に枝がのび、冬に再び芽ができる、という木の季節変化を知るイントロとしておすすめです。事前にサクラの芽の観察をしておくと、学習効果が高まります。

芽鱗痕が目立つ植物:トチノキ,タブノキ,ユズリハ,ヒイラギナンテンなど

冬01

芽は見つかるかな?(校庭にて)

冬02

芽鱗痕はどれかな?(植物園にて)

さらに有効活用するコツ

  • 1年草ツルレイシと比較すると、生物の生死や寿命と関連づけた授業ができます。
  • 授業では、実際の植物を見本に見せながら説明すると、理解や関心が高まります。
  • 各回の授業の最後に、前回と比べてどんな変化があったか、とくに印象に残った点を発表する時間を設けると、お友達の木との比較につながります。みんなで観察した樹木を見て回りながら、自分の木の前で説明してもらうのもおすすめです。
■参考となる書籍

朝日選書599 木の見かた、楽しみかた 八田洋章著 朝日新聞社

この学習プログラムは平成20年度文部科学省委託事業「科学的体験学習プログラムの体系的開発に関する調査研究」の一環で作成されました。
この事業のホームページで作成されたホームページ「授業に役立つ博物館」をご覧ください。

■制作協力

つくば市立吾妻小学校 つくば市立竹園西小学校 八田洋章 堀江信貴 佐藤杏奈

筑波実験植物園ボランティア

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