筑波実験植物園

 

 

 

 

 

暖温帯広葉樹林帯で開花しています

 

 カタクリは、堅香子(かたかご)という名前で万葉集にも詠まれるほど古くから知られている植物で、かつては片栗粉の原料として使われていました。当園では、そのカタクリが群生し、早春の落葉樹林の雰囲気をお楽しみいただけます。

〔見ごろは4月上旬頃までです〕
 

 

 

 

カタクリ(2010年3月19日撮影) 

 

カタクリ
Erythronium japonicum
ユリ科


林床に十分光が入るこの時期に葉を開いて花を咲かせ、夏までの間に養分を蓄えたのち、翌年の春まで姿を消してしまう植物をスプリング・エフェメラル(春植物)と呼びます。今、筑波実験植物園でもスプリング・エフェメラルのひとつ、カタクリが一斉に花を咲かせ、早春の落葉樹林の雰囲気を味わうことができます。
カタクリは堅香子の花として万葉集に詠まれるほど古くから知られており、現在はじゃがいものでんぷんで代用されている片栗粉も、本来は本種の鱗茎からとったものが使われていました。
カタクリの種子にはエライオソームという部分があり、アリのさなぎの匂いに似ているため、アリが巣に運び、運ばれた種が発芽してふえるというおもしろいしくみをもっています。また生長が遅く、種子が発芽してから開花するまで平均8年かかることが知られています。