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2013/12/18(水)

紫外線でみる植物のふしぎな世界

はじめまして!研究員の村井です。
「さわろう!植物展」がいよいよ開幕しました!

私たちがみている植物には、普段はみえていないヒミツが隠されています。そんなヒミツが「紫外線」でみえてくることがあります。「さわろう!植物展」では、紫外線装置を使って、紫外線でみる植物のふしぎな世界を皆さんに体験して頂いています。

太陽からの光のなかには、紫外線という光が含まれています。紫外線は、ヒトの眼には感知されませんが、植物にやってくる昆虫たちの眼には感知されることが分かっています。そのため植物は、花に昆虫たちを蜜のありかまで誘導する目印をつけていることがあります。これを「ネクターガイド(蜜標)」と呼びます。

アヤメの花

例えば、アヤメの花では、私たちが普通にみると白いスジの模様がみえていますが(写真左)、紫外線写真でみると、その部分が黒っぽくなっています(写真右)。この奥に蜜があり、マルハナバチがもぐりこみ、その際に雌しべと雄しべに触れて、受粉の手伝いをします。

紫外線写真は、カメラに特殊なフィルターをつけると撮ることができます。普段の花とは違ったみえ方になり、とても面白いですね。

一方、花のなかには、暗やみで紫外線ライトをあてると光るものが知られています。植物園にもそのような花があるのでしょうか?温室の中をスタッフの小林さんと紫外線ライトを片手に探索してみました。しかし、ほとんどの植物は地味な光り方のものばかりでした…。そろそろあきらめようとしたその時、まるで光ファイバーでできた花の置物(昔、私の実家にはありました)のようにきれいに光る植物を発見しました!ウォールム・バンクシアです。

ウォールム・バンクシア

このバンクシアの花が、なぜ紫外線で光るのかについては、明らかになっていません。しかし、少なくとも私たちに感動的な世界を提供してくれる素晴らしい素材であることには違いありません。

「さわろう!植物展」では、乾燥したバンクシアの花を展示中です。咲いていたときほど発光は強くないのが残念ですが、 世界初公開(!?)の「光るバンクシア」を是非お楽しみ下さい!