2014/11/17(月)

塩原の木の葉石

みなさんこんにちは、地学研究部の矢部です。矢部先生

今回、筑波実験植物園で開催する「植物化石展—タイムトラベル!5億年の植物進化」を担当することになりました。みなさんそれぞれ植物化石に対するイメージがあるかもしれませんが、一口に植物化石と言っても、実はとても様々で、きっと皆さんの知らない意外な化石だったり、視点や面白さがあると思います。このブログ「化石のみかた」では、みかたを変えるとこんなに面白い、植物化石のいろいろな話を紹介していきましょう。

植物の化石と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、木の葉石(このはいし)ではないでしょうか?全国各地に「木の葉石」の産地はたくさんありますが、中でも有名なのは、なんと言っても塩原(栃木県)の木の葉石でしょう。実は私も、数日前、この化石展の準備のため現地を訪れてきたところです。

塩原の木の葉石

温泉でも有名な塩原には、今からおよそ30万年前に火山のカルデラ湖ができ、そこに珪藻(けいそう)というプランクトンの死骸がたまって縞模様のきれいな地層ができました。この地層をはがしていくと、写真のようにきれいな木の葉が見つかります。この地層、こんなに“最近のもの”とは思えないほど硬くなっていて、これは地熱の作用によるものだということが最近の研究で報告されています。このおかげで、木の葉だけでなく、魚や昆虫、カエルなどいろいろな生き物の化石がとても保存よく残されているのです。

塩原で最初の化石研究が行われたのは1883年のこと。以来多くの研究者が研究を続けて、これまでに200種類近い植物が見つかっています。30万年前、しかも化石。今とは全く関係なさそうに思われるかもしれないけれど、実は、そのほとんどが現生種です。「30万年も前なのに現生種?」「化石って今の植物と関係あるのかな?」そんな疑問がわいたら、「植物化石展」に出かけてみましょう!

「植物化石展」は12月6日(土)から開催。本のページをめくるように地層を読み解いて、歴史という視点でみた植物の魅力を紹介します。

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