2014/12/11(木)

化石の木の高さを知るには...

みなさんこんにちは、地学研究部の矢部です。矢部先生

みなさんはリンボクという植物を知っていますか?バラ科のリンボクではなく、化石のリンボク、レピドデンドロンです。幹の表面に魚のウロコのような模様があるこの植物(だから、鱗木!)は、いまから約3億年前の石炭紀後期の森でもとくに大型だったと言われている仲間です。教科書によると50mにもなったものがあるとのこと。

前にこのブログでも書いたように、バラバラになるのが植物化石。だとすると、木の高さなんてどうやって調べているのでしょう?不思議ですよね?

実は、今の植物を調べると、幹や茎の“材質”とその太さが植物の高さに関係していることがわかってきました。幹には植物の体を支える役割があることを考えると、たしかに納得のいく話です。この研究は植物化石を研究する海外の古植物学者が行ったもので、私たち植物化石研究者は、こうした関係を化石に応用することで絶滅した植物の大きさを推測しているのです。

植物化石展では、鉱化した幹の化石をいくつか展示しています。そのうちの一つ、だいたい35cmの太さの針葉樹の幹から元の植物の高さを求めたところ、25mくらいだということがわかりました。写真は植物化石展で展示しているさらに大きな針葉樹の珪化木、直径130cm!さて、この植物の高さは何m?答えは植物化石展で。

針葉樹の珪化木

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