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2015/9/25(金)

渡り鳥が水草をはこぶ

筑波実験植物園の田中です。

水草は、水面がある場所にだけ生育しています。陸地に点々と存在する池や湖の間を水草はどのように移動しているのでしょうか?この疑問には、「進化論」で有名なダーウィンも興味を持っていました。

近年、DNAを用いた解析から、この疑問への答えの一端が見えてきました。水草のいくつかの種類では、種子が渡り鳥によって運ばれていることがわかってきました。その中でも、最も確からしくて、かつ驚いた例としては、カワツルモという水草グループの中で、オーストラリアにのみ分布しているとされていた種類が、実は日本やロシアにも分布していて、それは渡り鳥によって運ばれた可能性が高いことがわかったのです。

この例をきっかけに、他の水草でも同様な例を探索しています。水草がどのように移動して、現在の分布となったのか、興味は尽きません。 (写真はヒシモドキの果実。鳥の体によく付くと言われています。会場には、いろいろな水草の果実や種子を展示しますので、運ばれるしくみをご覧下さい)