水草展2017ブログ
筑波実験植物園

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2017/6/30(金)

外来種の哀しさ

こんにちは。水草展リーダーの田中です。

この栃木県の川、水草の緑が素晴らしいですよね。
私も目に入った瞬間は、すごい!と感動しましたが、近づいて見て、落胆してしまいました・・・全て、本当に全てがオオカワヂシャという外来種だったのです。

外来種とは、人間活動の影響によって外国から入ってきた生物のことです。実はこの外来種、水草では特に大きな問題となっているのです。

こちらは、長野県の水草の美しい川です。本当に素晴らしい場所なのですが、左側の少し濃い色をした水草は外来種のコカナダモです。

 

ここなど、天然の水草レイアウト水槽かと思うような美しい色彩ですが、中央あたりの薄い緑はオオカワヂシャです。

もちろんここでは特に象徴的な写真を紹介しましたが、今や、日本の水域で外来種を見つけることは実に簡単で、地域によっては、在来種だけの水域を探すことの方が大変、という状況すらあります。

こうした状況は海外でも見られます。
しかも、ブラジル、アマゾン水系!のとある水域

わかりにくいですが、水の中にクロモ(日本やアジアなどが原産)が外来種として入り込んでいます。

 

手つかずのように見える、ミャンマー北部のインドージー湖でも、南米原産のホテイアオイ(中央左)が見られます。

このような外来種は、在来種の生育環境を奪って、生態系のバランスを崩してしまう可能性があります。
水草展では、外来の水草を、その問題と現状、進行中の研究成果と併せてご紹介します。今や、栽培することも禁止された水草たちも許可を得て、展示します。
水草自身に罪はないだけに、ちょっとかわいそうな(感じがする)水草たちを見て、何か感じていただけたら幸いです。