水草展2021ブログ

2021/8/18(水)

ありがとうございました。

水草展リーダーの田中です。

日曜日をもって「水草展~旅する水草~」は終了いたしました。
新型コロナ感染拡大と大雨が続く中、ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。
その状況の中(せめて、天気くらい味方してよ、と恨めしく思ったりしましたが)、来場を望みながらも、ご来場を断念された方も多かったことと思います。このブログを見て頂いただけでも感謝ですし、この状況になってみると、ウェブ上で展示を見られるような仕組みを検討すべきだったという反省も残りました

今回のテーマは旅でした。「旅する水草」は、2015年くらいから候補となっていましたが、満を持して準備していた2020年に中止となり、コロナ仕様へ変更して実施したのが今回でした。

正直に言うと、もっと旅をダイレクトに感じられるようにしたかったですし、水草に触れたり、観察したりするコーナーを増やしたかったというのが本音です。
でもその中で、

園内の水草をめぐるクイズラリーでは、水草の葉や花をよく観察して答えを考えている様子や、

ワークシート「ミャンマーの水草を探そう/つくばの水草を探そう」で、1つ1つの水草をメモや写真をとりながら真剣に観察されている様子を見て、本当にうれしくなりました。

これまでも水草展では、生きた水草を見てもらうことにこだわってきましたが、コロナ禍の今、 “本物の持つ魅力” “本物を見る楽しさ”をより多くの方が求めているように感じました。
水草にとって、旅は生きることそのものの行為です。水草は人間社会の事情などお構いなしに、今この瞬間も旅をしているでしょう。自由に旅ができる日常が戻るまで、そんな生物の営みに思いを馳せてみるのも楽しいことです。

本日、会場はほぼ撤収されましたが、みなさんに植えていただいた「みんなで植える水槽」はしばらく教育棟に展示します。ご自分が植えた水草の成長した姿もまたぜひご覧下さい。

次の水草展は未定ですが、水草にぐいぐい近づけるコンテンツを増やして、みなさんをお迎えできるよう準備します。またお会い出来ることを楽しみにしております。

最後に私事になりますが、謝辞を述べさせてください。植物園の職員のみなさん、TCA東京ECO動物海洋専門学校のみなさん、(有)エイチ・ツーの早坂誠さん、筑波大学の須貝麻央さん、國分直仁さん、荒木聡太さん、東京大学の松尾拓己さん、ありがとうございました。

そして、3年前に始まった企画から、準備、実施まで水草展のすべてにわたって関わってくれた3人です。

植物園の職員で、水草栽培担当の渡邊嘉人さん。国内から海外まで多様な水草の展示ができたのは、渡邊さんの高い栽培技術と日々の作業の賜物です。展示水槽に入っていた魚の多くは渡邊さんの自宅の魚に一時的に出勤してもらったものです!(自宅、どんなことになっているのか見てみたい・・・)

筑波大の轡田圭又さん。イネの代謝について研究している修士2年生です。水草展2017の経験と水草育成の知識を活かして、準備を計画的に進めてくれました。北方系、ミャンマー、光合成、切れ藻、みんなで植えるなど様々な水槽で活躍してもらいました。

筑波大の福田ゆきさん。自宅に大きな水草水槽をもつ、学部3年生です。北方系、移動に関する展示、水草と文化のコーナーなどで、栽培だけでなく、いろいろな展示物まで多岐に渡って準備をしてくれました。

なぜ今日はこんなに天気が良いのか・・・でもまあ、水草展で水草への興味が湧いたらその思いをフィールドへ、と考えればちょうど良いと考えましょう。「つくばの水草」でご紹介したように、みなさんの身近にもきっと水草がいるはずです。もっとも安全な夏の遊びかもしれません。ぜひ、残りの夏はお近くの水辺へ。
それではまた。