カニクサ

植物図鑑

図鑑の見方

植物名

カニクサ 

学 名

Lygodium japonicum (Thunb.) Sw. 

科 名

カニクサ Lygodiaceae 

旧科名

フサシダ SCHIZAEACEAE 

園内の花

解 説

夏緑性。根茎は短く這っていて、有毛で鱗片を欠く。葉は複葉になり、掌状か羽状の対になる小羽片を出しつつ、先端は伸び続けるので、日本の暖地ではしばしば高さ2mをこえる。胞子嚢は小羽片の小葉の縁にできる小さな裂片状に2列に並ぶ。大型で、脈の上に1個ずつついて、胞子嚢群のようなまとまりはなく、1個ずつ包膜に覆われている。 

研究者ノート

カニクサは、地下茎から出るつる性の葉が、他の植物などを支えに上方へ無限生長するという特徴ある生育型を持っています。
小さな葉がたくさん集まっているように見えますが、地上に出ている部分全体が1枚の複葉です。
葉1枚の大きさで比べれば、ヘゴなどの木生シダをも上回ることもあり、シダ植物最大級と言えるでしょう。
このカニクサの仲間がどのようにつる性に進化したのかはまだよくわかっていませんが、最近ニューカレドニア固有のLygodium hiansという種において、胞子をつけない葉が地表を這うように生育する性質が観察され、カニクサ属が木に登るようになる前の原始的な性質を残している種である可能性が指摘されています。
参考: Page et al. (2014) Adansonia ser. 3, 36: 21-43.(海老原淳) 

自然分布

本州・四国・九州・朝鮮南部・中国・インドシナ・タイ 

絶滅危惧ランク

 

日本固有

筑波山分布

利 用

中国では全草、胞子嚢や胞子がまたは根茎や根、消炎解毒、肺炎、急性胃腸炎、黄疸などに用いられている。また、カニクサや近縁種のL. scandens (L.) Sw., L. pedatum (Burm. f.) Sw.などの若葉は食用に利用されることがあり、L. flexuosum (L.) Sw.などの中軸を用いて工芸品が作られることがある。 

園内区画

シダ植物、圃場 

「おすすめ」
登場回数

13

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