ミジンコウキクサ

植物図鑑

図鑑の見方

植物名

ミジンコウキクサ 

学 名

Wolffia globosa (Roxb.) Hartog et Plas 

科 名

サトイモ科 Araceae 

旧科名

LEMNACEAE ウキクサ 

園内の花

解 説

ため池、水路、ハス田などの水面に群生する微少な多年生の浮遊植物。他の浮き草と混生することが多く、注意しないと浮遊性の藻類と勘違いする。根を欠き、葉状体のみからなる。単独か2個の葉状体が群体をなす。葉状体は体の中ほどが最も幅の広い楕円体で、光沢があり、長さ0.3-0.8mm、幅0.2-0.5mm、厚さ0.2-0.6mm、上面は平坦、下部は肥大する。花期は8-9月だが開花は極めてまれ。 

研究者ノート

ミジンコウキクサ属は世界で最も小さい種子植物であり、その花は世界最小と考えられている。本属は世界に約10種あり、その中でもミジンコウキクサWolffia globosa (Roxb.) Hartog et Plasは最も小型の種である。植物体は根が無く、葉と茎の区別が無い葉状体のみからなる。葉状体は長径0.3-0.8mm、短径0.2-0.5mm、高さ0.2-0.6mm、重さは150μg(Armstrong 2001)である。日本の本州での花期は7-10月。開花は非常に稀である。葉状体表面中央の花孔と呼ばれる窪みに、1個ずつの雄花と雌花からなる花序をつける。花被は無く、雄花はおしべ、雌花はめしべのみからなる。雄花、雌花ともに大きさは約0.1-0.2mmである。雌性先熟で、まずめしべの柱頭が花孔から出るが1日ほどで枯れる。その後おしべが伸びて葯が花孔から出て花粉を出す。種子は1個だけできる。ウキクサ科の送粉方法はよくわかっていない。葉状体上を移動する貝類や昆虫、あるいは風や雨によって個体間を花粉が移動する、風や動物などによって葉状体が動いて別個体の花が接触することによる、などの仮説があるが検証はされていない。粘着性のある花粉と柱頭にできる蜜から推測すれば虫媒である可能性が高いが、その場合、ミジンコウキクサ属ではより小型の昆虫が訪花するのかもしれない。開花も結実も非常に稀である一方、栄養成長は盛んである。葉状体から新しい葉状体が次々に作られて増殖する。Wolffia microscopiaというインドの種では30-36時間毎に新しい個体をつくるため、計算上は1個体が4ヶ月後に10の30乗個体になる(Armstrong 2001)。タイやミャンマーでは食用にしているほどである。分布はアフリカ、アジア、オーストラリア、北米などに見られるが、本来の分布と帰化の区別が明らかでない。日本では、昭和初期に沖縄で初めて記録され、その後本州以西のため池や水路で帰化が確認されている。最近のDNAを用いた研究では、ウキクサ科はサトイモ科に含まれることが示されている。最も大きい花序を持つスマトラオオコンニャクと最も小さい花をもつミジンコウキクサが同じ科の中で進化したことは非常に興味深い。[引用文献]Armstrong, W.P. 2001. Wayne's Word Lemnaceae On-Line: 12 May 2001. http://waynesword.palomar.edu/1wayindx.htm (12 June 2001). 

自然分布

本州(関東以西)・四国・九州・琉球 

帰化分布

アフリカ・アジア・オーストラリア・北米 

絶滅危惧ランク

 

日本固有

筑波山分布

園内区画

水生植物温室 

「おすすめ」
登場回数

4

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