ヤエヤマカンアオイ

植物図鑑

図鑑の見方

植物名

ヤエヤマカンアオイ 

学 名

Asarum yaeyamense Hatus. 

科 名

ウマノスズクサ Aristolochiaceae 

園内の花

解 説

山地や川沿いの常緑樹林床に生育する。西表島の固有種で、島の一箇所のみに分布が確認されている。 

研究者ノート

亜熱帯の琉球列島は常夏の島とよくいわれますが、渓流沿いや高地などの涼しいところには暑さに弱い植物も生育しています。逆にこれらは寒さには強く、関東でも屋外で栽培することができます。いま、「生命を支える多様性区」の絶滅危惧植物区では、リュウキュウスズカケ(奄美大島産)、ヤエヤマカンアオイ(八重山産)などの琉球の寒さに強い植物を屋外栽培しています。このように本来の自生地とは別の場所に生育できる範囲を潜在分布といいます。(國府方吾郎)--[カンアオイの仲間]徳川の家紋で有名なフタバアオイの仲間で寒い時期に青々と茂ることから寒葵の名があります。なんと日本に50種以上がありますが、多くは絶滅の危機に瀕しています。カントウカンアオイやクワイバカンアオイといった種は冬咲きで、葉に隠れるように地面すれすれに花をつけます。花は赤紫や茶色で、まるでたて穴のような非常に不思議な姿をしています。一部の種ではキノコに擬態しているとも言われており、キノコと間違えたキノコバエの仲間が花の内部にあるひだに卵を産みにやってきて、その時に花粉が運ばれることが知られています。(奥山雄大) 

自然分布

日本(西表島) 

絶滅危惧ランク

絶滅危惧ⅠB類 (EN) 

日本固有

筑波山分布

園内区画

絶滅危惧植物、圃場 

「おすすめ」
登場回数

15

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花 全形
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花 全形

撮影場所
絶滅危惧植物
撮影日
2010.1.19
撮影者
佐藤絹枝