ナギイカダ(梛筏)

植物図鑑

図鑑の見方

植物名

ナギイカダ(梛筏) 

学 名

Ruscus aculeatus L. 

科 名

クサスギカズラ Asparagaceae 

旧科名

ユリ LILIACEAE 

園内の花

解 説

常緑の小低木。茎はよく分かれ、高さ10~100cmになる。 葉のように見えるのは枝で、中央に淡緑色の花をつける。果実も同様の場所で赤く熟す。 

研究者ノート

ほとんどの人はこの植物の扁平となった茎を葉と思うでしょう。本来の葉はごく小さくて鱗片状で目立ちません。植物の器官は色々姿を変えるものだと納得するより仕方ありません。この革質で先端の剌が痛い深緑色の葉状体のほぼ中央に小さな花や赤い実をつけます。これも一見奇妙ですが、茎なら花をつけるのも当然かと思えます。(八田洋章)
ナギイカダで葉のように見えるのは,仮葉枝(かようし)と呼ばれる器官です.この仮葉枝はいったい葉なのか茎なのか,長い論争が続いていました.扁平なかたちや脈のパターンは葉に似ていますが,発生場所や花をつけることは茎と同様です.この仮葉枝で、茎で働く遺伝子(STM)と葉で働く遺伝子(YABBY)、どちらが働くか調べた研究から、どちらの遺伝子も発現していることがわかってきました.どうやらこの仮葉枝、葉と茎両方の性質をあわせもつ器官のようです.Y. Hirayama et al. (2007) Development Genes and Evolution 217:363-372(堤千絵) 

自然分布

アゾレス諸島・地中海~黒海沿岸 

絶滅危惧ランク

 

日本固有

筑波山分布

利 用

庭木に利用。 

園内区画

温帯資源植物 中央 

「おすすめ」
登場回数

23

スタッフによる今週のおすすめで紹介された回数を表します。

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花
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撮影場所
温帯資源植物 中央
撮影日
2006.4.27
撮影者
二階堂