サラセニア・レウコフィラ(アミメヘイシソウ)

植物図鑑

図鑑の見方

植物名

サラセニア・レウコフィラ(アミメヘイシソウ) 

学 名

Sarracenia leucophylla Raf. 

科 名

サラセニア Sarraceniaceae 

園内の花

解 説

高さ100cm以上に葉がトランペット状に直立し、葉上部と開口部のふたは赤紫色または緑色、黄緑色の網目模様となる。葉脈間は白色で、白い斑が入ったようになる。新葉に先だって50-100cmの花茎に暗赤色またはえび茶色のバイオリン形の花を咲かせる。 

研究者ノート

食虫植物として有名なサラセニア。
面白いのは、壷のような形をした葉だけではありません。花の形も変わっています。普通の花では、外側から、萼、花びら、おしべ、めしべがあります。
サラセニアの花では、一番外側の5枚が萼片、その内側で舌のように垂れ下がっているのが花びらで、花の中央部は傘のようなもので覆われています。
この傘の部分がめしべです。傘の内側をのぞくと、中央(傘の柄の部分)に将来種子になる子房があり、それを囲むようにおしべが並んでいます。
傘の露先の部分にある小さい突起が柱頭で、ここに花粉がつくと受粉がおこります。
めしべの傘の内側には、花粉がたくさん落ちていて、訪花昆虫がこの傘の内側を通ると、花粉が体に付着し、傘から出るときに花粉が柱頭について受粉がおこります。(堤千絵)

晩秋、花の蜜が大好きなハエの仲間が、次第に少なくなる花を探しまわっています。
そんな中、サラセニア・レウコフィラがひと際あざやかな白い網目模様の捕虫葉を展開します。筒状になっている捕虫葉のてっぺんには色鮮やかな「ふた」があり、この裏側からは甘いミツと香りが出ていて、まるで花のようです。
何とも魅力的なこの「ふた」のうらでミツをなめているハエは、夢中になっているうちに、あるいは何かのはずみに捕虫葉の中に入ってしまいます。
サラセニアの筒の内側はハエのあしでは全く取り付けないつくりになっているので、無数のかわいそうな虫たちはいくら積み重なっても、全く脱出できません。
外からでも、大きなハエたちのもがくブブブという音が聞こえてくるのは、自然の営みとは言え、少し切ない気持ちにさせられます。(奥山雄大) 

自然分布

北アメリカ(東部、ジョージアからアラバマ・フロリダ・ミシシッピ) 

絶滅危惧ランク

 

日本固有

筑波山分布

園内区画

中央広場 

「おすすめ」
登場回数

36

スタッフによる今週のおすすめで紹介された回数を表します。

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全形

撮影場所
中央広場
撮影日
2007.5.18
撮影者
佐藤絹枝