ラクウショウ(ヌマスギ)(ニレツバスイショウ)

植物図鑑

図鑑の見方

植物名

ラクウショウ(ヌマスギ)(ニレツバスイショウ) 

学 名

Taxodium distichum (L.) Rich. 

科 名

ヒノキ Cupressaceae 

園内の花

解 説

落葉高木。高さ50m、直径3mにもなる。 メタセコイアに似るが、葉が互生するので区別できる。球果は卵球形で盾形の果鱗を有す。湿地では、幹周辺に高さ2mの気根を直立に地面から出す。心材は黄褐色から暗褐色で、耐久性がある。 

研究者ノート

ヒノキ科に属するメタセコイア、セコイア、ヌマスギ(ラクウショウ)は“生きている化石”の代表格の一つです。どれも日本には自然の状態では生えていない植物ですが、実は日本でも化石が見つかっています。
これらが生きている化石と呼ばれるのは古くから化石記録があるためで、メタセコイア属はおよそ1億年前、ヌマスギ属やセコイア属はそれよりも少しあと、いずれも中生代から化石種が見つかっていて、ある時期に現生種が現れ入れ替わりました。ただし、これらの現生種がいつ現れたかという問いにはまだ統一した見解は出ていません。
“生きている化石”とよばれるメタセコイア・セコイア・ヌマスギですが、これら3属の歴史は互いに少しずつ違っています。メタセコイア属は白亜紀後期以降アジアとアメリカに分布していました。新生代を通じて分布を縮小する中で最後まで残ったのが東アジアで、日本からはおよそ80万年前に絶滅します。一方のセコイア属とヌマスギ属は北半球の広い範囲に分布していましたが、ヌマスギ属が東アジアで早くに衰退し、新第三紀(2300万年前以降)に入ると化石が見つからなくなるのです。彼らがなぜ違う歴史を歩んだのか、解決にはさらなる研究が必要です。(矢部淳) 

自然分布

北アメリカ(東南部)・メキシコ 

絶滅危惧ランク

 

日本固有

筑波山分布

利 用

湿地の景観木・土木材・水槽用材 

園内区画

シダ植物 

「おすすめ」
登場回数

7

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撮影場所
シダ植物
撮影日
2008.11.10
撮影者
佐藤絹枝