ポインセチア(ショウジョウボク, クリスマスフラワー)

植物図鑑

図鑑の見方

植物名

ポインセチア(ショウジョウボク, クリスマスフラワー) 

学 名

Euphorbia pulcherrima Willd. ex Klotzsch 

科 名

トウダイグサ Euphorbiaceae 

園内の花

解 説

高さ3~5mになる低木で、特有の杯状の花序(写真)を形成する。色のついた部分は苞で、花が形成されてから色づく。苞の色が白色、黄白色、ピンクなど多くの園芸品種がある。英名は着色期が12月に当たるのでクリスマスフラワーと呼ばれ、親しまれている。筑波実験植物園では初冬からサバンナ温室のアメリカ区で花が咲いている。日本には明治中期に渡来した。 

研究者ノート

クリスマスの花として観賞されるポインセチアはメキシコ原産のトウダイグサ科の植物です。花びらのように見えるのは苞あるいは総苞といわれる部分で、その真ん中にいくつもある黄色の部分が本当の花です。多くの品種の苞は赤色ですが、含まれている色素は3種類のアントシアニン(カリステフィン、クリサンテミン、ケラシアニン)で、そのうちの前の2種類はイチゴの実に含まれているものと同じ色素です。典型的な短日植物で、日の当たる時間が1日に12時間以下にならないとつぼみができず、花が咲きません。花が咲くと、苞の部分も色づきます。一般の家庭では夏に栽培することはあまりありませんが、本来は低木で、この植物は発芽してから少なくとも25年は経過しています。(岩科司)

進化は万能で何でも出来そうに思えますが、実際には一度失ってしまった器官をそっくり元に戻す進化は起きないことが分かっています(ドロの法則)。ポインセチアの花を見てみましょう。鮮やかな紅色で、幾何学的に広がるまるで花弁のような部分は、葉が変化した苞です。実際には、大昔にポインセチアを含むトウダイグサの仲間は花弁を(がくも含めて)完全に失ってしまっているのです。花粉を運んでくれるミツスイやハチドリなどの鳥を呼び寄せるため、「派手な目印」が必要になったので花弁の代わりに進化したものと考えられます。(奥山雄大) 

自然分布

メキシコ 

絶滅危惧ランク

 

日本固有

筑波山分布

利 用

観賞用。 

名前の由来

アメリカに初めて持ち込んだ米国初代のメキシコ大使Poinsett氏に由来。 

園内区画

サバンナ温室 

「おすすめ」
登場回数

78

スタッフによる今週のおすすめで紹介された回数を表します。

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花
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撮影場所
サバンナ温室
撮影日
2006.12.5
撮影者
佐藤絹枝