セコイア(イチイモドキ,セコイア)

植物図鑑

図鑑の見方

植物名

セコイア(イチイモドキ,セコイア) 

学 名

Sequoia sempervirens (D.Don) Endl. 

科 名

ヒノキ Cupressaceae 

園内の花

解 説

世界で最も高い裸子植物。樹皮は赤褐色で厚く、材は暗赤色でやわらかく耐久性がある。鱗片状の葉は長さ6-12mmの卵形-長楕円形で先はとがる。2列生する葉は長さ約2.5cmの線形または線状披針形。雄花は小さく多数の雄しべからなり、枝の上部に葉腋から出る小枝の先に単生する。雌花序は上部の側枝の先端に単生する。球果は卵形で長さ18-25mm、鱗片は15-20個ある。標高700-1000mの山地に生える。 

研究者ノート

ヒノキ科に属するメタセコイア、セコイア、ヌマスギ(ラクウショウ)は“生きている化石”の代表格の一つです。どれも日本には自然の状態では生えていない植物ですが、実は日本でも化石が見つかっています。
これらが生きている化石と呼ばれるのは古くから化石記録があるためで、メタセコイア属はおよそ1億年前、ヌマスギ属やセコイア属はそれよりも少しあと、いずれも中生代から化石種が見つかっていて、ある時期に現生種が現れ入れ替わりました。ただし、これらの現生種がいつ現れたかという問いにはまだ統一した見解は出ていません。
“生きている化石”とよばれるメタセコイア・セコイア・ヌマスギですが、これら3属の歴史は互いに少しずつ違っています。メタセコイア属は白亜紀後期以降アジアとアメリカに分布していました。新生代を通じて分布を縮小する中で最後まで残ったのが東アジアで、日本からはおよそ80万年前に絶滅します。一方のセコイア属とヌマスギ属は北半球の広い範囲に分布していましたが、ヌマスギ属が東アジアで早くに衰退し、新第三紀(2300万年前以降)に入ると化石が見つからなくなるのです。彼らがなぜ違う歴史を歩んだのか、解決にはさらなる研究が必要です。(矢部淳) 

自然分布

北アメリカ(オレゴン州-カリフォルニア州) 

絶滅危惧ランク

 

日本固有

筑波山分布

利 用

昔は建築、家具として使用されたが、現在では厳しく保護されている。 

名前の由来

セコイアという名前はアメリカ・インディアンのチェロキー族の言語学者Sequoyahを記念したものである。 

園内区画

温帯資源植物 西プロムナード 

「おすすめ」
登場回数

7

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球果
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球果

撮影場所
プロムナード
撮影日
2006.12.15
撮影者
佐藤絹枝