筑波実験植物園

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こんにちは植物園です

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12月28日(木) 年末のご挨拶
早いもので今年も年の瀬が押し迫ってまいりました。

2017年も多くのお客さまにご来園いただき、
この場を借りてお礼申し上げます。

今年1年、ありがとうございました。
2018年もよろしくお願いいたします。

皆さま、良いお年をお迎えください。


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新年は、1月5日(金)9時開園です。
先着50名様に、新春プレゼントをご用意しております!

※9日(火)は休園です
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12月20日(水) するどいまなざし
こんにちは、事務のMです。
意図せず背中が丸まってしまうような寒い日々ですが、
カラッと晴れた空と凛とした空気が心地よく感じます。
きれいに色づいた葉もいつの間にか大体落ちて、木々の枝がすっきりしています。

そんなある日、いつものように園内をぶらぶらしていると、
前方の視界に、いつもはそこにないグレーのかたまりが・・・??

思わずはっと足を止めてカメラを構え、望遠レンズを伸ばした先に!

・・・猛禽類!!(名前が分からない・・・!)

か、かっこいい〜!!

と思った瞬間にはバッと飛び立ち、常緑樹林の梢に消えていきました。

かろうじて撮れた1枚。何だろうと調べるもやはり分かりません。
そこで動物研究部の濱尾先生にお伺いしたところ「オオタカのオス・成鳥ですね」とのことでした!

猛禽類においてメジャーなオオタカですが、私は見たことがなく、
いつか見てみたいと思っていたのでとても嬉しかったです。
しかも園内で出会えるとは・・・!

以前、同じく猛禽類のツミを見かけたときも、
その凛々しい姿に興奮しましたが、その後猛禽類を見かけることはなく。
いつになくその日は「猛禽類いないかな〜〜」と思いながら歩いていたところ出会えました(本当です笑)。


さて、濱尾先生にオオタカについて詳しくお伺いしたところ、いろいろと教えていただきました。

 ・メスだと褐色を帯び(目は黄色)、幼鳥だとはっきり褐色の上、
  腹側にある模様「鷹斑」も縦になる

 ・わずかに青みを帯びた墨色の背面、白っぽい腹に細かい横線の「鷹斑」は
  オス・成鳥ならではの特徴でカッコイイ!

 ・鳥はこの時期見かけるのは当年生まれの幼鳥が多いが、
  植物園で見るオオタカはなぜかオス・成鳥であることが多い
  →毎年同じ個体が植物園(周辺)に越冬に来ている可能性も
 
 ・植物園には毎年冬になると現れるが、行動圏は植物園内に
  限定できず広いので、いつも見られるわけではない

 ・ひと頃よりも数が増え、環境省のレッドリストでも絶滅危惧II類から
  準絶滅危惧に「格下げ」されたものの、 それなりに珍しい鳥である


なにより、数が増えてきたとはいえ、食物連鎖の頂点にいるオオタカ(猛禽類)は貴重な存在であり、
植物園が彼らにとって生活の一部となっていれば嬉しい限りです。

また、来年の1/13(土)〜28(日)にはミニ企画展
「植物園の動物たち」も開催され、鳥類ももちろん紹介されます。
動物研究部が2015年から2年間にわたり、園内の動物調査を行った成果をもとに
採集した標本などを用いて園内に生息する動物について紹介します。

ここ園内で色々な生物を目の当たりにするたびに、
どのような生物が生息しているんだろうと思っていたので、
このミニ企画展は個人的にもとても楽しみです。

また日が迫ってきましたら、随時情報をブログに出したいと思います。
皆さまもどうぞお楽しみに!

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12月14日(木) 冬でもクレマチス

こんにちは、スタッフの奥村です。
今年の冬将軍の威力は凄まじく、もう1月かと間違えるような寒さです。

しかし、そんな中でも元気に花を咲かせている植物に出会うと、
「寒い中でも頑張ろう」と力を貰えます。

今日は、ほとんどの株が休眠に入ったクレマチス園で綺麗に花を咲かせている、
クレマチス品種 ジングル・ベルの写真を紹介します。

初夏の花のイメージが強いクレマチスですが、このジングル・ベルは冬咲き。
夏の頃は休眠していて、秋口になると古いつるから葉が出て、冬に開花します。

コウヤマキの木にしっかりと絡みつき、つぼみもまだまだたくさんあります。
寒さが厳しい今年の冬ですが、ジングル・ベルの姿に励まされながら、なんとか頑張れそうです。

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12月7日(木) シマクモキリソウ、その後
こんにちは、事務のMです。
過日、一部新聞やTVで紹介され、企画展「つくば蘭展」期間中(11/19-26)限定の展示で
注目の的だった「シマクモキリソウ」のその後についてご報告です。

昨日、7輪すべて開花した、とのことで撮影してきました!

見た瞬間に思わず感嘆の声が・・・。

赤紫の筋が目立ち、7輪バランスよく花を付けています。
品のある美しい立ち姿に見とれてしまいました。自然の造形美ですね。

それにしてもこの小さな花が、人知れず南硫黄島のどこかでひっそり
咲いているかと思うとドキドキしてきます。

発見に関わった方たちや、当園で預かり、その株の維持管理に
心血を注いだであろうスタッフの存在をありがたく思います。

ずっと眺めていたいところですが、この、情報の少ない大変希少な植物は
単に愛でられるために当園にやってきたわけではありません。

展示していた株が満開となったタイミングで、今後の研究に役立ていくためにも
希少な標本のひとつとして、花の一部を液浸標本にして保管することになりました。
(押し葉標本にしてしまうと、花の立体構造がつぶれて見にくくなってしまうため)

堤研究員いわく、これから、父島産の標本や他の種と比較して、南硫黄島のシマクモキリソウは
どのような特徴があるかを詳細に明らかにしていきたいとのことです。

しばらく展示予定はありませんが、
植物園の裏側では、種子をとるための交配実験や、別な株の開花も目指すなど、
研究員や管理するスタッフにとって今後もシマクモキリソウから目を離せない日々が続きそうです。

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