筑波実験植物園

閉じる

こんにちは植物園です

<<前年 | 翌年>>

<< 2018年9月 >>

9月28日(金) 植栽管理の現場から〜キョチク伐採は誰が為
こんにちは、事務のMです。
とある休園日、「キョチクを伐採しているよ!」という情報をいただき
現場に向かいました。場所は熱帯雨林温室(低地性)です。

世界で一番大きくなる竹、巨竹(キョチク)。
日本の他の竹と違って根が風変わりなものだそうで・・・
そんなキョチクの根との戦いを記した過去のブログもぜひ読んでみてください!
(リンクから飛んだページの少し下にある、9/12の記事です)


そういえばずいぶん成長していたよなあと思いながら改めて見ると
てっぺんが温室の天井にぶつかっています。15メートルはあるとのこと。

作業の目的は、単に伸び過ぎたからかと思っていたのですが
そうではなく、キョチクの近くにあるショクダイオオコンニャクに光が届くように、とのことです。
確かに、大きくなりすぎたキョチクが空からふりそそぐ光を阻害しかねません。

それにしても・・・

今回も高〜いところで育成管理室の二階堂さんが作業しています。
過去にも高木の伐採作業を見させてもらいましたが、相手は樹木でした。
樹木なら高いながらも枝という足場がありますが、今回はキョチク・・・竹です。
太い竹とはいっても樹木とは違い、枝がない上にグイーンとしなります。

作業は天井付近の高いところにあるキャットウォークからロープでぶらさがりながらの作業。
ロープを固定している真下の作業は楽に出来るそうですが、
横に傾いているタケの作業となると大変とのこと。
体重を掛けて歩くことが出来ないので、固定補助ロープの活用が不可欠だそうです。

空中での移動→体の固定→短く切断→また移動・・・の繰り返し、
通常の樹木相手と違ってさぞやりにくいだろうなと思うところですが、
二階堂さん曰くその作業の繰り返し手順は
パズルのようで難しく、かつ面白い!のだそうです!


そのような高いところで二階堂さんがロープをくくりつけて切ったものをロープを使ってゆっくり下に降ろし、
下で受け取った屋外スタッフがノコギリを使って細かく裁断してまとめます。
温室内も色々な植物が密集しているため、降ろす作業もだいぶ気を遣う感じです。

その作業をくりかえすこと1時間、今回は1.5本を伐採しました。
一気に伐採するのかなと思いましたが、1〜2年ごとに1〜2本伐採してきたそうです。

自然に生えているものならば、光の奪い合いの結果に
光を利用する植物やそれほど必要としない植物でバランスがとれていきますが、
植物園はそのバランスを人工的に管理していかないとなりません。
今回のキョチク伐採は、過去に4回も隔年開花したコンニャク様を想ってのことなのです。

そんな管理の大変さを知ってか知らずか(おそらく知らず)、
ショクダイオオコンニャクのイモが眠る大きな鉢からは、かわいらしい葉芽が出てきました。
これから温室の屋根からふりそそぐ太陽の光を浴びて、ぐんぐん成長していくことでしょう♪

ページトップへ

9月20日(木) ヒガンバナときのこ
こんにちは、事務のMです。
時折暑い日もありますが、朝晩は涼しくなりすっかり秋らしくなりました。
空もいつのまにか高くなっていて、うろこ雲に感じる秋の空・・・

植物園内もいつの間にか秋の装いになってきました。
あずまやの前ではヒガンバナが咲き出し、
蝶が忙しなく移動しながら吸蜜している様子が見られます。

ヒガンバナは美しくもなんだか不思議な、ミステリアスな植物に思えます。
葉と花は同時に見ることができず、種子はできず、それでいて花は可憐・・・

花が終わったあとに葉が出て冬を越しますが、春を迎えると枯れて、
それから花が咲くまでは地上部から姿を消し、
秋になると花茎が地面からすっと出て花を咲かせます。

なにもなかったように思えるところに、いつの間にか姿を現すところは
まるできのこのようにも思えたり・・・

そんなきのこは今、園内でたくさん見られます!
(来るきのこ展に向けた「きのこ展ブログ」はこちらから)

巨大なきのこや小さなきのこ、鮮やか+かわいいタマゴタケに目を奪われつつ、
植物園の楽しい秋は深まっていきます。

ページトップへ

copyrights