筑波実験植物園

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こんにちは植物園です

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5月30日(日) リニューアルの影には・・・
植物園の谷です。
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リニューアル・オープン
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皆様ご存知の様にゴールデン・ウィーク直前にサバンナ温室がリニューアル・オープンしました。
以前の鬱蒼とした高木が無くなり、サンサンと日差しが降り注ぐ温室へと変身しました。

より良い温室を目指して女性二人でセッセと植え込みをしていました。
健気に働く姿に思わずシャターを切りました。

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5月29日(土) 標本データベースを使ってみよう〜その2〜
陸上植物研究グループの海老原です。

http://db.kahaku.go.jp/webmuseum/
にアクセスすると、コレクションの選択メニューが表示されます。
植物関係は左下にあります。(ただし植物化石は「地学標本」です)
基本的に植物の大分類毎にコレクションが分かれていますが、維管束植物だけは「標本」と「生植物」の2つにさらに分けられています。
「生植物」をクリックすると、筑波実験植物園で栽培維持されている植物の目録(の一部)を検索できます。

今のところ検索できるデータの件数は、植物関係では30万件ほど。標本資料の点数はざっと150万点はありますので、ここで検索してヒットしないからといって諦めないでくださいね。

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5月28日(金) 標本データベースを使ってみよう〜その1〜
陸上植物研究グループの海老原です。

これまで外部から科博の収蔵資料について調べるのはなかなか難しかったのですが、今春から「標本・資料統合データベース」が公開になり、(まだ全体のほんの一部ではありますが)70万件あまりの資料のデータにアクセスが可能になりました。

科博が予算をけちったので、正直申し上げて使い勝手があまり良くないところもあるのですが、せっかくのデータを活用していただくためにも、これから何回かにわけて使い方を紹介します。

まずは以下のURLにアクセスしてみてください。
http://db.kahaku.go.jp/webmuseum/
植物園のページからリンクを辿る場合は、「研究」→「データベース」をクリック

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5月27日(木) ナガボナツハゼ、その保全にむけて
堤です。先日、浜松にナガボナツハゼの花を見に行ってきました。

ナガボナツハゼは、2007年に改訂されたレッドデータでは絶滅危惧1A類に指定され、もっとも絶滅の恐れのある植物の1つとなっています。今回、知り合いを通じて自生地を案内してもらうことができました。

ナガボナツハゼは、記載は1863年と古く、シーボルトの標本をもとにオランダの研究者ミクエルにより記載された植物の1つです(学名はVaccinium sieboldii、種小名にシーボルトの名がつけられている)。

今回観察した自生地は、日当たりのよい痩せた台地の草原で、狭い場所に数十個体が点在するのみでした。案内してくれた方によれば、かつては近隣で普通に見られたとのことですが、今はいつなくなってもおかしくない状況でした。

このナガボナツハゼ集団を見つけた方に話を伺うことができました。週に何度も現地に足を運び、個体数やその変遷、周りの草刈りなどを行い、大切にナガボナツハゼを見守っているとのこと。今年は去年と比べて花がたくさんついたのだとうれしそうに教えてくれました。このような地元の方の熱い思いと地道な活動がなければ、この集団も多数の花をつけるまでに育たなかったことでしょう。

ナガボナツハゼはブルーベリーの仲間であり、ナツハゼなどと比べても果実の味がよいらしく、将来ブルーベリーの品種作出などへの貢献が期待できるなど、資源としても価値があります。

日本の貴重な野生植物を守る活動、それはやはり地元の方達の活動に依るところが大きいですが、ナガボナツハゼに関する研究や、ナガボナツハゼの現状と重要性をより多くの方に伝えることで、私も保全の一端を担えればと思った調査でした。

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5月26日(水) ふるさと花紀行
こんにちは。事務の松本です。

みなさま!
筑波山植物区で、ホシザキユキノシタが咲いています。
白くて繊細なこの花は、つくば市の「市の花」です。

私、つくば市出身ですが、植物園に来て初めて見ました。
まだ見たことがない方も多いのでは??
おすすめですよー。

ぜひ、ぐっと近くに寄って見てみてください。
小さい花ですが、色使いが素敵です♪

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5月25日(火) 植物園ボランティア活動
植物園の谷です。

筑波実験植物園には現在30名の方々がボランティアとして活動しておられます。
今日はその1こまを紹介します。

 ☆   ◆◇◆ シダハウス作業 ◆◇◆    ☆
毎月1〜2回、シダ温室やシダ園での整備作業があります。
写真はシダ温室での作業中にお邪魔した写真です。
「ボランティアさぁ〜ん!こっち向いて下さぁい!」とカメラを向けたら素敵な笑顔を返して下さいました。
半地下になっている温室の中は湿気と蚊との戦いです。
ボランティアさん頑張って下さい。゜:.。.:*・゜

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5月24日(月) 植物調査は雨にも負けず風邪にも負けず
堤です。ご無沙汰です。

ここ3週間出ずっぱりでした。研究対象のゼンマイやツツジ科植物の調査でした。バケツをひっくり返したような大雨に遭って風邪をひいても、風邪が治らなくても、スピード違反で捕まっても、花や胞子の時期は限られているので、今行くしかありません。

写真は、4月にツツジ類の観察に出向いた鹿児島で見たツクシアケボノツツジ。葉が展開する前に咲く花は、5cmほどとツツジ科の中でも大きく、薄い清楚な桜色で、栽培が容易ならおそらく園芸植物として出回っていたことでしょう。産地や個体数は少なく、絶滅危惧植物に指定されています。

ツツジ科は花のかたち等で細かく分類されていますが、どの程度遺伝的に異なるのか、交配するか否かなど、わかっていない種がまだまだあります。九州に分布するこのツクシアケボノツツジも、紀伊半島や四国に分布するアケボノツツジや、本州に分布するアカヤシオと変種関係にありますが、詳細な系統関係などはわかっていません。

日本の野生植物といえども未知なることだらけで、研究テーマは尽きそうにありません。

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5月23日(日) ☆ ☆  ☆・・   無 料 公 開  ・・☆  ☆ ☆
植物園の谷です。

みなさまご存知ですか?
植物園では年に3回! 「無料公開」の日があることを。。。
5月4日  植物園の日
5月18日 国際博物館の日
11月3日 文化の日
その中でも特に5月18日がおすすめです。
平日だからでしょうか、ゴールデンウィークの様な混雑にはなりません。

園内も屋外、温室共に様々な花が競うように咲き乱れています。
例年この時期は「クレマチス展」も開催され見ごろを迎えます。
クレマチス展開催期間中(6/6まで)は売店があり、花も買えます。

5月の爽やかな風に吹かれながら散策を楽しまれては如何でしょう。

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5月22日(土) 上野本館で「日本の生物多様性とその保全」開催中です!
植物研究部で海藻の研究をしている北山です。

ただいま国立科学博物館(上野本館)で企画展「日本の生物多様性とその保全」を開催中です(7月19日まで)。海藻も展示しましたのでどうぞご覧ください。

写真は開催直前に撮影されたもので,いろいろなコンブの標本を展示用の額にネジで固定しているところです。

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5月21日(金) 富士山で自然観察会
植物研究部の大村・樋口です。

さて、写真の人たちは一体何をしているのでしょうか?
コンタクトレンズを探している訳ではありません。

これは、5/15-16に行った自然観察会「富士山でコケと地衣類を楽しむ」の一場面です。普段意識せずに踏んで歩いていた地面や通り過ぎていた樹木にとても美しいコケや地衣類があることを知ってもらうことができました。

子どもから大人まで26名の参加者がありました。皆さんと野外での観察会や室内での顕微鏡を使っての実習やクイズ大会など大いに盛り上がりました。

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5月20日(木) ピンクのハート
登録室のuです。

この写真、何かわかるでしょうか?
色といい形といい、まさにかわいいハートそのもの。
これは地面に落ちたサンショウバラの花びらです。
ここ数日で一気に咲きました。

名の通り、葉の形がサンショウに似ていて、バラのなかでは世界一大きい幹になるといわれています。

岩礫地(山地性)区画で次々花を咲かせています。
開花期が2〜3週間と短めですが、ぜひごらんください。

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5月19日(水) 花盛り
事務のIです。

植物園は今花ざかりです。

今年はバラ園も整備しました。
6/6までならクレマチス展も開催しています。

今の季節がオススメですよ!

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5月16日(日) 私の植物ここがすごい(遊川研究主幹)-マヤラン Cymbidium macrorhizon-
花は立派なシンビジウム。でも、根も葉もないふしぎな植物です。

葉がなくてなぜ生きていけるのか、これまたふしぎ。その訳は、共生する菌が葉に代わって生きていくのに必要なエネルギーを供給してくれるからです。

その菌はまわりの木から栄養をもらい、栄養の一部をマヤランに受け渡しているという、地下のネットワークがあるのです。(写真:中山博史)

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5月15日(土) 私の植物ここがすごい(松本研究主幹)-絶滅シダが生きていた!シビイタチシダ Dryopteris shibipedis Sa. Kurata-
筑波実験植物園で長年栽培していて、新聞ニュースになりました。

鹿児島県紫尾山で1度だけ発見され、ギフベニシダとオオイタチシダの性質を合わせ持ち、私たちの研究により両者の雑種起源の4倍体無配生殖種であることが判明しました。

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5月14日(金) 私の植物ここがすごい(細矢グループ長)-ブナノミシロヒナノチャワンタケ Dasyscyphella longistipitata-
私が記載した新種です。でも、菌自体は別な菌と勘違いされたまま昔から図鑑に出ていました。ブナの殻斗から発生し、日本国内に広く分布します。

研究の結果、遺伝的には日本全国が一つの集団のようにみえ、小さな胞子を飛ばして分布を広げる菌類の生き方を考えさせてくれるきっかけになりました。

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5月13日(木) 私の植物ここがすごい(樋口グループ長)-ヒマラヤナンジャモンジャゴケの胞子体発見-
1994年に中国雲南省で見つけたヒマラヤナンジャモンジャゴケには成熟した胞子体が見られ、胞子体の二例目の発見となりました。それまでこの仲間は細々と無性的に生き延びてきたと考えられていました。

この発見はこの生き物が有性生殖を行い、活発に遺伝子交流を行っていることを示しました。

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5月12日(水) 私の植物ここがすごい(保坂研究員)-タマウラベニタケ(玉裏紅茸)Entoloma abortivum-
このキノコ、少し変じゃありませんか?

実はダンゴのような部分は、他のキノコに寄生されて変形しているのです。キノコは「木の子」。でもキノコに生えるキノコもあるのです。

ちなみにタマウラベニタケに寄生しているナラタケの仲間は、世界最大の生物、とも言われています。キノコの謎はつきません。

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5月11日(火) 私の植物ここがすごい(堤研究員)-フガクスズムシソウ-
木の上で一生をすごすラン。

苔むしたブナやイタヤカエデの上で暮らし、6-7月に10cm程の花序に赤褐色の花を多数つける。

苦労して木登りした末の、花との対面は感動の瞬間。

近縁種はいずれも地生で、本種がどのように木登りしたのか、進化の道のりやホストとの関係など興味はつきない。

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5月10日(月) 私の植物ここがすごい(辻研究主幹)-Stephanodiscus suzukii Tuji & Kociolek (スズキケイソウ)-
琵琶湖にだけ生息する琵琶湖の固有種で、私が記載した初めての種類。

私の記載後、様々な研究が進み、現在の形態になるまでの進化の様子や、過去の気候変動(氷期・間氷期)との関係などの研究がなされた。

日本の淡水域に生息する珪藻としては最も美しい種類だと思っている。

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5月9日(日) 野生植物の多様性に忍び寄る脅威ー3
続けて奥山です。(昨日の続きです)

この異変の原因は、もう少し異変の進行が遅れている場所に行けば分かります。これは三重県名張市の調査地で撮影したサカゲイノデの芽出しです。柔らかいわらび巻きの先がちょん切れていますね。

犯人はニホンジカです。実は、どういうわけか日本全国でニホンジカの数が急増しており、食べるものに困った彼らが山の草花を片っ端から食べてしまっているのです。

最初は本当に食べやすい(おいしい)植物だけを食べるのですが、最後には食べると命に関わるようなわずかな植物種を除いて全て食べ尽くしてしまうのです。前に紹介したクリンソウやトリカブトは、そのような、どうしてもシカにとっては食べることのできない数少ない植物だったというわけです。

ここ数年の植生の変化はどこでも急激で、壊滅的です。シカがなぜ急に増えたのかははっきりしませんが、野生植物を守るためには緊急の対策が必要です。

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5月8日(土) 野生植物の多様性に忍び寄る脅威ー2
奥山です。(昨日の続きです。)

見て下さい、これが同じ場所の周りの風景です。本来あるはずのシダ(ジュウモンジシダ、オシダ、こごみ、イノデ類)のわらび巻きや、その他の草花がほとんど見当たりません。まるで草刈り機で刈り取ったかのようです。

写真中央やや左側に、ぽつんと元気に育っている植物が分かるでしょうか。これはサクラソウの一種、クリンソウです。どういうわけか、昔はこの辺りにほとんど自生していなかったクリンソウやトリカブトが増えてきています。

実はこのような現象は、現在、日本のあちこちで見られています。
その真相は、、、(次回へ続く)。

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5月7日(金) 野生植物の多様性に忍び寄る脅威ー1
奥山です。

今回は少しシリアスなお話を。
先月は近畿地方で重点的に調査を行っていました。
私の学生時代から何年も訪れている京都市の調査地です。

毎年調査を続けていたある時ふと、林床を被う草花が何だか少ないことに気づきました。
大学に入ったばかりの頃、その美しさに感動した林床を埋め尽くすほどたくさんのオシダやイノデのわらび巻きが、気がつけばほとんど見当たりません。

当時の面影が唯一残っているのは、この写真のような、そう簡単にはよじ上れないような大岩の上だけです。一体何が起こっているのでしょうか。(次回に続く)

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5月6日(木) 私の植物ここがすごい(田中研究主幹)-クロモ-
水中で生活するクロモ。

親株から離れた雄花のつぼみは水面で開くと同時に花粉を周囲にまき散らします。水面に落ちた花粉は漂流した後、水面で落とし穴のように開く雌花と受粉します。雄花も雌花もよくできていますが、花粉の表面までも水に浮きやすい形に進化しています。

多様な水草集団‘トチカガミ科’の進化の歴史の中でも特殊を極めた至高の水草です。なのにその辺の池によくいます。それがまたかわいいところです。

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5月5日(水) 私の植物ここがすごい(國府方研究主幹)-アマミアワゴケ(アカネ科 Nertera yamashitae T.Yamaz) -
地球上で琉球列島奄美大島の3箇所のみに分布が知られている絶滅危惧植物。

これまで花冠裂片、雄蕊の4数性からコケサンゴ属とされていたが、形態比較と分子系統解析からサツマイナモリ属(5数性)の種であることがわかった。今後、雄蕊数の変化、葉の矮小化に関する研究が計画されている。

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5月4日(火) 私の植物ここがすごい(北山研究主幹)-ムチモ-
津軽海峡以南の暖海に分布する海藻。

配偶体(写真)には雌雄がありますが、メスだけの群落がみつかることがあります。そのメスから卵を集めて生活史を調べると、卵が未受精のまま発生しメスだけで群落が維持されることが分かりました。オスが要らないので、この生物はメスだけで生育地を拡大できます。 

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5月3日(月) ハンカチノキ
事務のIです。

ハンカチノキがやっとほころび始めました。
今年は寒い日が多いせいか、1週間前は蕾のままで葉っぱも1枚もありませんでした。
楽しみにして下さるお客さまも多いので冷や冷やしましたが、ゴールデンウィークにはなんとかみられそうです!

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5月2日(日) 私の植物ここがすごい(門田研究主幹)-オオヒラウスユキソウ(大平薄雪草)-
日本産エ−デルワイスの一つです。ヨ−ロッパにはエ−デルワイス1種しかありませんが、日本には6種もあり、さらにそのうち5種が日本の固有植物です。

この種では雌雄の分化が顕著で、写真の植物は雌性頭花のみを咲かせる雌株です。

北海道後志支庁大平山、山頂付近の石灰岩草原にて。

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5月1日(土) 私の植物ここがすごい(加藤園長)-カワゴロモ(川衣)-
オトギリソウ科に近い祖先から河川へ進化した結果、奇妙な姿になった植物である。緑色で掌サイズの平べったい植物が川の中の岩上にへばりつく。

ゼニゴケやアオサ(緑藻)に似ているが、正真正銘の顕花植物であり、緑色の衣は根である。秋から冬、水位が下がると水の上に出て,つかの間に花が一斉に咲き出す。

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