筑波実験植物園

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こんにちは植物園です

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10月31日(金) 小笠原の植物たち(1)
研究員の奥山です。

6日間の小笠原諸島滞在から帰ってきました。

といっても船で片道26時間の長旅。実質、小笠原には3泊4日で、その間に父島、兄島、母島の希少種が自生する現場を巡るというめまぐるしいスケジュールでした。しかし、小笠原で独自の進化を遂げた植物たちの自然の姿を目の当たりにできたのは、とても貴重な経験でした。

さて今回の仕事は、環境省が貴重な生物多様性を再生させるべく取り組んでいる小笠原諸島希少野生植物種保護増殖事業に、専門家として的確なアドバイスをすることでした。とは言え、現状はかなり厳しいです。

小笠原の植物の脅威には大きく分けて三つあるようです。1つ目の脅威は競争力の強い外来植物の侵略です。特にアカギ、モクマオウ、リュウキュウマツ、ギンネムは、小笠原に元来生育するどの植物よりも生育が早く、またこの4種をあわせるとほとんどどんなところでもたちどころに覆い、在来植物の生育場所を奪ってしまいます。

写真は国内では北大東島と小笠原母島のそれぞれ1箇所にしか生えていない極めて希少なシダ、ヒメタニワタリが生える岩壁に食い込むように生える外来種アカギです。小笠原の在来樹種にはこのような生え方をする木はおそらくありません。

本土ではふつう外来種の植物って、自然度の高いところには入り込まない印象なのですが、アカギはそんなことおかまい無しです。この場所では、ヒメタニワタリが生える岩壁がアカギの根によって今にも破壊されそうです。
(続く)

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10月28日(火) ヤマガラ君のつぶやき
こんにちは。
ぼくは山から降りてきたヤマガラだよ。
仲間のシジュウカラくんは一年中植物園にいるけど、
ぼくは冬の間だけやってくるよ。
この植物園は、おいしい食べ物がたくさんあって、
冬ごしにはいい所なんだ。

ぼくたちは虫やドングリが大好き。ノミ(鑿)のようなくちばしで
つついて、ドングリを割って食べることができるんだ。
どんぐりは寒い真冬には貴重な食べ物になる。秋のうちに、
地面や木の割れ目にたくわえておくんだよ。

少し多めにたくわえておくので、春には食べなかった分が残る
こともよくあるんだ。
それの芽が出て、新しいドングリの木になるんだって。
ドングリは地面に落ちたままだと、
すぐに乾燥で死んでしまうので、ぼくたちが
土の中に埋めることで、子どもの木が育つんだって。
ぼくたちもドングリの木の役に立っているんだね。

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10月23日(木) あと5か月
こんにちは。事務の松本です。
きのこ展で平日もにぎわう園内です。
スタッフも、きのこ画コンテストに応募していたり
きのこグッズを収集したり、ガイドツアーに参加したり
楽しんでおります。26日までです。

あと5か月後…
そのころは、植物園が世界に誇る野生蘭コレクションを公開する
「つくば蘭展」を開催しています。
(2015年3月15日〜22日)

バックヤードでは今回の目玉となりそうなランを
育てているところです。
つくば蘭展のテーマも近日発表いたしますね!

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10月16日(木) 手話で楽しむ植物園
こんにちは。研究員の堤です。
9月28日に手話で楽しむ植物園を行ないました。

植物も手話も一緒に学べるお得な企画!と
はじめたのがきっかけ。
今年で確か3回目。植物園、手話通訳の方、
聾学校の理科の先生と、3者が協力して、
秋に見られる植物の観察を行ないました。

はじめに理科の先生から、植物用語の手話解説がありました。
これがかなり面白い。
「めしべ」「おしべ」「子房」は花の中での位置や特徴を、
「受粉」はおしべの花粉がめしべの柱頭につく動きを、
手話が的確に表していて、これならクイズで出されても
わかりそう!
難しいけどわかりやすい、そんな手話をとりいれながら、
植物を見てまわりました。
園内はちょうどキバナアキギリやツリフネソウ、トリカブトなど、秋の植物が花盛り。それぞれの花を観察してまわり、
最後は発語禁止でその日みた印象的な植物の手話をグループで考えて発表しました。声はなくともおおいに盛り上がりました。

 植物の観察だけでももちろん楽しいのですが、
違った面、今回は手話を交えると、植物のいつもとちがう面を
見直すきっかけになり、理解が深まり、
より印象的な観察会になった気がします。
子供であれ障害のある方であれ、
誰もが楽しみながら学べるようにと
いろいろ工夫してきましたが、この企画も皆様の協力のおかげで、みんなが共に楽しみ学べる場になったと感じました。
なにより担当した私がすっかり楽しんでしまいました。

来年もまた、季節を変えてやりたいです。


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10月11日(土) 水草つながり
こんにちは。研究員の田中です。
客員研究員として水草の講義とフィールド調査をするために、
富山県中央植物園に来ました。

水草の進化や保全について伝えることができ、
シロエビとミズアオイもゲットできたので、目標クリアです。
さらに、思いがけずゲンゲとセトヤナギスブタ(写真)も
堪能でき、富山コンプリートという気分です。
これは、富山県の植物相と食を丹念に調査されてきた
中央植物園のスタッフの努力の賜物です。
県の植物相を調査し保全するという明確なスタンスに
感心するとともに、国の植物園として
筑波実験植物園は何をすべきかを改めて考えさせられました。

富山県中央植物園では、来年に水草展を開催するとのこと。
もちろんできるだけ協力するつもりですが、
「水草の聖地」を目指している筑波実験植物園としては、
さらに高いレベルを目指そうと決意したのです。
中央植物園もそうでしたが、全国の植物園には、
水草にこだわって仕事をされている若い方に時々出会います。
そんな方々でネットワークをつくって、
日本の水草を守るための仕組みをつくろうと模索しています。
実は以前にやり始めたものの、言い出しっぺの私が
多忙にかまけて頓挫している状況でした。
若い方が増えてきているので、
今なら実現できるのではと考えています。

ゲンゲもおいしかったし、
セトヤナギスブタにはとても感動したのですが、
それを再確認できたことが富山での最も大きな収穫でした。

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10月10日(金) ヘンケイキン
こんにちは。事務のIです。

変形菌というものを初めて見ました。
これは「ムラサキホコリの仲間」だそうです。

園内にキノコ散策に出かけたところ,園路沿いの枯れ木に不思議な物体を発見。

イソギンチャクか,ウニか,枯れた松か,クリのイガイガか…?
何だろう―――と思っていました。

変形菌は巨大なアメーバ状の体を変身させてキノコのように胞子をつくる
不思議な生き物だそうです。
見た目も生態も謎めいています。

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10月9日(木) ある日の植栽スタッフのお仕事
こんにちは。事務の松本です。

植物たちが元気に育つのために、季節によって
位置を変えたり、
植栽スタッフたちは、日々、
植物の顔色を見て、状態に合わせた管理をしています。

夏場は風に当てほしいの
でも秋の外は寒いの

そんな、お祭りお神輿級の鉢の願いも
屋外スタッフ温室スタッフの力を集結して
大移動です。

春夏の外の空気で、綺麗な新葉が出ていました。

力強く!
でも新葉に傷がつかなぬよう繊細に!!

鉢は、この一つだけじゃないそうです。。
出した時より大きくなっていて扉をくぐるのが
たいへんでした。

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10月8日(水) 渡りの季節
こんにちは。事務の松本です。

濱尾先生によると、いま、
まさに秋の渡りのまっただ中!!だそうです。

写真はキビタキです。
かなりの数が渡っていて、いま園内では一番多い鳥だそう。
成鳥はすでに渡り去っているようで、いま植物園で見られるのは
今年生まれの幼鳥たちです。

キビタキは夏鳥で、日本の山で繁殖します。
植物園は春と秋に立ち寄って行きます。
目立ちませんが、「ゲッ」「ジッ」などという
声が聞こえたらキビタキです!!!

そのほかにも、
山や北の地方から降りてきたヤマガラ・アカゲラ・カケス、
ロシアで繁殖し南方に渡り去る途中に立ち寄った
エゾビタキなども見られるそうです。

秋の植物と野鳥観察、お楽しみください♪

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10月7日(火) 祝!開園31周年|村井先生
こんにちは。事務の松本です。
7日目、ラストは村井先生です。

「四季折々に、訪れてもらって
 観察にきてほしいなあ。
 はじめてきたひとも、
 リピーターになってもらえるような園に!」

今ちょっと、
「やー今日初めて来たけれど、また来るね」って
お客様に言ってもらった瞬間

を想像してみましたが
それって、すごくうれしい!!!

それをめざして
スタッフ一同、32年目も前を向いて歩んでいきたいと思います。
どうぞよろしくおねがいいたします。
ご意見・ご感想なども、みなさまぜひお聞かせください!







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10月6日(月) 祝!開園31周年|奥山先生
こんにちは。事務の松本です。
6日目は奥山先生です。

「あぁ…つくばええなあって、みんなが思うような
 植物園にしたいな」

昆虫大好き、植物大好きの生き物好き、奥山先生と
回ると、植物園には、植栽した植物以外に
さまざまな生き物がくらしている事が見えてきます。
スタッフブログでも、
昆虫と植物の関わり合いを研究している
奥山先生の記事は、昆虫ネタが多いかもしれません?!

昆虫と植物、といえば子供たちに大人気の「食虫植物」
熱帯雨林温室2階では、常時「食虫植物」を展示しています。
かなりの高確率で、虫が捕らえられている状態です。



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10月5日(日) 祝!開園31周年|堤先生
こんにちは。事務の松本です。
5日目は堤先生からです。

「でっかい目標持っていきたいよー、これで!」

でっかい目標といいながら、先生はそれに近づく活動に
どんどん取り組んでいるので、
そんなに遠くない未来かも!と楽しみになります。
植物園の活用方法や学習支援活動
ホームページで公開中です。
まだまだ増えていく予定ですので
お待ちください。

堤先生が担当している、
「植物園をたのしむスーパーアイテム」が
近々、園内に登場する予定です。
こちらは、またお知らせしますね。

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10月4日(土) 祝!開園31周年|田中先生
こんにちは。事務の松本です。
4日目は田中先生です。

「びっくりしたり、発見があったりすると
こう、ぐぐぐーっと引き込まれるから、
そういう迫力のある園を目指したいなあ。」

先生方みんな、「植物で感激した記憶」があって
それを深く知ったり見せたり伝えたりするために
日夜多岐に渡る業務に取り組んでいるのですね。
抱負を集めていて、思いました。

この抱負は、水草のことは書かなくていいの?(笑)と、
先生が担当する水草展のキャラクターを添えてくださいました。

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10月3日(金) 祝!開園31周年|國府方先生
こんにちは。事務の松本です。
3日目は、國府方先生です。

琉球と小笠原の亜熱帯植物を中心に
「未知の種を、探る」
と、先生。

同じ種だと思われていたものが、よくよく調べると
ある島に固有の種だったり、
まだまだわからないことがたくさんあります。

実は、そんな研究最前線にいる植物たちが、園内では
あちこちで見ることができます。

絶滅危惧植物区や
琉球と小笠原の亜熱帯植物の植物がある多目的温室
ご来園時はのぞいてくださいね。
ひっそりした繊細な感じの植物が多いのが
たまらなく良いのです。

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10月2日(木) 祝!開園31周年|遊川先生
こんにちは。事務の松本です。
2日は、遊川先生からの抱負です。
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松「遊川先生、開園31周年記念!32年目の抱負を、お伺いしてもよろしいでしょうか」

遊「。。。。がちょーん、かな」

松「がちょーん、、、ですか?」

遊「うむ。がちょーーーん!!!(ポーズ付)だね。」

松「わかりました。お写真もよいですか?」

遊「ちょっと待って。気をためないと。」

松「(気合がたまるを待つ)」

遊「はいっ、がちょーーーん!!!!」

パシャ!!(強力なエネルギー、出てました)

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多くを語らない遊川先生が、最後に
「がちょーんはね、気合だよ。
 あらゆることを、突破する気合なんだよ」と。

聞いてよかった…がちょーんの説明。
じーん。です。

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10月1日(水) 祝!開園31周年|岩科先生
こんにちは。事務の松本です。
10月1日は、開園記念日!
植物園は31歳になりました。

開園した翌年から、勤務している園長からスタート!
7人の先生による、32年目の抱負バトンリレーです。

日本植物園協会の会長も務める園長は
筑波実験植物園はもちろん、日本の植物園の未来も
誰よりも考えなくてはなりません…!

植物園のスタッフになってしまうと、
ついつい
仕事モードで見学してしまいがちです。
が、
やっぱり!!
植物園って、おもしろい場所です。
どこへ行っても
純粋にワッと、うれしい発見があります。

筑波実験植物園に限らず、日本中、世界中の
いろいろなスタイルの植物園を
いっしょに楽しみましょう〜

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