筑波実験植物園

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こんにちは植物園です

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11月28日(金) 共生菌をつかまえる
こんにちは。事務の松本です。

今日はランを研究している、やがめさんが
タッパーをかかえて出て行くところをパチリ。
気になるタッパーの中身を教えてくれました。

ランは、すべて
それぞれ決まったの共生菌がいないと発芽できないそう。
あるランの共生菌を研究するために
どうやって、その菌を見つけ出すかというと・・・

今回は、ランの種子を
ランが生えていたそばのタケにふりかけて、
タッパーにしまいます。

その中から
発芽したものは、共生菌と出会えた種子!
その植物体から、菌を取り出すそうです。

というようなお話をしてくださる声は
ランの研究者である遊川先生に、ものすごく似ている・・・
と思うのは、私だけではないようです。

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11月26日(水) NEW!鳥マップ
こんにちは。事務の松本です。
最近、カワセミを池で見かけた、と
スタッフの間でも話題です。

教育棟に置いている「園内で見られる野鳥」掲示板が
新しくなりました!
野鳥マグネットもリニューアル。
いい表情をしています。

見ごろの植物とあわせて、ぜひご覧ください。
マップの隣には、「鳥ムービー」もあります♪

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11月25日(火) 名器いろいろ
こんにちは。事務の松本です。
特別公開「青いキク」が終わり、今日は会場の片付けです。

会期中、青いバラや、青いカーネーションを生けていたのは
スタッフが作成した「名器」たち、でした!
(コンクールでたびたび入選する凄腕の持ち主は
普段は屋外の植栽を担当しています。)

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11月20日(木) ヒスイカズラ
こんにちは,事務のIです。

熱帯雨林温室でヒスイカズラが咲いています。

例年2月から6月,稀に7月頃まで咲きますが,
この時季に開花したのは初めてです。
11月初旬まで暖かい日が断続的に続いたせいで,
咲く時季を間違えてしまったのでしょうか。

1房だけの狂い咲きですが,好きな花が思いがけない
時季に見られて嬉しいです。

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11月18日(火) ぐんぐん
こんにちは,事務のIです。

ショクダイオオコンニャクの葉芽がぐんぐん伸びてきています。

前回は温室の天井に届きそうなくらいでした。
今回もどこまで伸びるか楽しみです。

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11月16日(日) 乙女心
こんにちは。事務の松本です。

多肉植物、名前が可愛いよーと、
温室の原さんが
教えてくれたこの子は、
「乙女心」Sedum pachyphyllum

寒くなると赤く紅葉するという葉っぱ
「ほっぺが、赤くなったみたいでしょ」という
原さんの言葉、ほーんとにそのとおり。

サバンナ温室に入る前の、右側にあります。
地植えの多肉植物たちをお楽しみください。




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11月15日(土) コシガヤホシクサの種
こんにちは。事務の松本です。

遠くに見えるのは
植物図鑑を担当している、永田さん

なんだろう何かしている…
何しているのかな
なんだろうなんだろう

と、通り過ぎようとして

やっぱり気になったので聞きにいったところ

コシガヤホシクサの種を収穫中でした。

小さな花が咲いていたところに
小さな種がつぶつぶと並んでいました。
聞いてよかった!

花が咲いて、種ができて、種から芽が出て
花が咲いて…

野生で絶滅してしまったコシガヤホシクサですが
各地でのたくさんの方々の協力の中
野生復帰に向けて、前進しています。

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11月14日(金) 仕事場訪問-上野本館
こんにちは。事務の松本です。

ここは、国立科学博物館上野本館
広報・常設展示課 情報担当
Nさん、Sさん、Kさんのデスクです。

植物園の企画展のホームページや、大きな更新作業を
担当してくださるNさん、

「webでこんなことしたいなあ」
「こんなイメージがいいなあ」
と園スタッフが伝える
言葉にならない、展示のイメージを
いつもキャッチして、見える形にしてくれます!!

12/6(土)〜21(日)に開催する植物化石展のホームページも
公開中です〜

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11月13日(木) 冬のクレマチス
こんにちは。事務の松本です。

毎年5月〜6月に特別公開をしている
クレマチス園ですが、
冬場も中に入ることができます。

花はほとんどないのですが
ふわふわの種の姿もかわいらしいです。

今が花盛りのクレマチスがあると
村井先生が教えてくれたのは、こちら。

名前は「クレマチス’ジングルベル’」!!

すてきな名前です。
クレマチス園中央の、コウヤマキを
ぐるりと回って見つけてください。

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11月12日(水) 葉ボタンと・・・・!!!!?
こんにちは。事務の松本です。

研修展示館の入口は、
季節に合わせて屋外スタッフが選ぶ
見て楽しい、学んで楽しい植物が皆様をお迎えしています。

今回の主役は、アブラナ科たち、だそうです。

「わー葉ボタン、いろいろな種類ですね」と
屋外スタッフ、わちさんにお話ししたところ

「うふふ、キャベツも植えたの」

とのこと!

葉ボタンの向かい側は、キャベツや紫キャベツがならんでいます。
この後の成長もたのしみです。

研修展示館では24日まで、
「植物園のここが好き!植物園ボランティア活動紹介」
という展示を開催しています。
キャベツを見ながら、そのまま、研修展示館へ!!

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11月6日(木) とげとげくん誕生秘話
こんにちは。事務の松本です。

育成担当の二階堂さんの机に、不思議な生き物が!
ちょん、とさわると
指にくっついてきます、ちょっと痛いです。。

正体は、本日剪定した
「ウンカリナ・グランディディエリ」の果実。
サバンナ温室にある植物です。

温室スタッフが
こまめにこまめにこまめに、人工授粉していた日々が
心をめぐって、感動ひとしおでした。

果実とわかっても
人が見ていないところで動きそうな…気配がします。





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11月4日(火) 小笠原の植物たち(4)
研究員の奥山です。前回の続きです。

小笠原の植物について暗いことばかり書いてしまったので、最後は楽しい話題で締めくくりたいと思います。

小笠原を訪れてあらためて感じたことは、この自然がこの場所に育まれ、そして今に残されていることはやはり奇跡だということです。

小笠原は太古の昔(今より3000万年くらい前だとされています)火山活動によって出来上がって以来、一度も他の場所と陸続きになったことがありません。つまり、そこに息づく動物も植物も、人間が持ち込んだものを除いて、全て自力でこの島にたどり着き、長い時間をかけて進化したものです。ですから、小笠原の生物たちはそれぞれが、きっと波乱に満ちた進化の歴史を秘めているはずです。しかし私たちがその歴史について知っていることは、ほんのわずかなのです。

例えば父島や兄島の乾性低木林に生える固有種ウラジロコムラサキ(写真上)は、日本本土でよく目にするムラサキシキブの仲間ですが、乾燥した環境で進化した結果、葉は硬く厚く、全くムラサキシキブとは異なった姿をしています。さらに不思議なことに、本土のムラサキシキブの仲間は全て雌雄同体ですが、ウラジロコムラサキでは、ちょうどイチョウのようにオスとメスが別になっています。一体何が原因で、このような進化が起きたのでしょうか?私たちはまだその答えを知りません。

ワダンノキ(写真下)は、キク科としては高さ3m以上とかなり大きな木になる不思議な植物で、やはり小笠原母島(と属島)でしか見ることができません。この植物も、キク科ではかなり珍しいオスとメスがある植物です。そして、世界中にこのワダンノキに似た植物はどこにもないのです。一体彼らはどこから来たのか、これも、まだ誰も答えを知らない大きなミステリーです。

このようなちょっとした植物の知識で、小笠原の自然はより感動的で、魅力的なものになります。ウラジロコムラサキもワダンノキも、植物園の多目的温室で見ることができます。ぜひ小笠原の貴重な植物を実際に目にして、古代の植物の旅と進化のロマンに思いを馳せてみて下さい。

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11月3日(月) 小笠原の植物たち(3)
研究員の奥山です。前回の続きです。

小笠原の在来植物に迫る3つ目の脅威は、昆虫を食べ尽くしてしまう外来種のトカゲ、グリーンアノールです。昆虫を食べる動物だから植物には関係ないと思ってしまいますが、そうではないのです。

このグリーンアノール、小笠原ではすでにほとんどの地域に侵入しており、そこにいる在来の昆虫をほとんど食べつくしてしまっています。その影響で大きく数を減らしてしまった昆虫の中でも、特に深刻なのが小笠原固有のハナバチ類です。

かつて、小笠原諸島には9種のハナバチ類がかなりの個体数で生息していたようです。そして、小笠原固有の植物のかなりの部分が、これらのハナバチに花粉媒介を頼っています。ところが現在、小笠原の主要な島である父島や母島ではこれらのハナバチは目にすることすら難しいほど減少しており、一部の種はすでに絶滅してしまった恐れすらあります。その結果、多くの小笠原の固有植物は、花を咲かせてもとても種子をつけにくい状態に陥ってしまっています。種子ができなければ、たとえ他の環境が良くてもいずれその植物は絶滅してしまいます。これは本当に大変な事態です。

一度広がってしまったグリーンアノールを根絶するのは、かなり困難です。さらにこの危機に追い討ちをかけるように昨年、残念なことがありました。これまでグリーンアノールがいないとされてきた父島のすぐ北に位置する無人島、兄島にかなりの数のグリーンアノールが侵入してしまっていることが新たに明らかになったのです。兄島では現在、現場の必死の駆除活動で、とにかくグリーンアノールの数が増えないように努力がなされていますが、先行きは不透明です。取り返しのつかない事態にならないよう、今、断固たる対応が必要です。
(続く)

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11月1日(土) 小笠原の植物たち(2)
研究員の奥山です。前回の続きです。

小笠原の在来植物に迫る2つ目の脅威は植物を食べてしまう外来動物です。

小笠原諸島には元来、オガサワラオオコウモリ以外、一切の哺乳類がいませんでした。そこに棲みついたヤギ、クマネズミは、小笠原の在来植物を次々に食べて枯らしてゆきます。

植物は動けないので、動物にただ食べられるだけのように見えますね。でも実際には、トゲや、毛や、硬いからや毒でこれらの天敵からしっかり身を守っているのです。

ところが、天敵のいない小笠原で長い時間進化した植物は、これらの動物から身を守るすべを失ってしまっています。だから、ネズミやヤギにとっては美味しいエサであることが多く、たちどころに食べ尽くされてしまうのです。

写真は父島ではもうわずかしか残っていないキク科の固有植物、コヘラナレンです。この場所の周りには広いさくがあり、ヤギが入って来れないようになっていますが、クマネズミにはこのさくは効果がありません。そこで、このような金網のケージで厳重に守っているのです。ただ守るだけでなく、これからは、少なくなってしまった株を何とかして増やしていかなければなりません。現場の努力には頭が下がるばかりですが、まだまだ、人手も、予算も足りません。

世界中で小笠原でしか見ることのできない植物たち。その未来は私たちの手にかかっています。
(続く)

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