筑波実験植物園

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こんにちは植物園です

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3月30日(月) シジュウカラ産卵中!
動物研究部の濱尾です。

植物園の巣箱ではシジュウカラが産卵中です。今年は桜の開花も早かったように、鳥の繁殖活動も早めに進んでいます。

メスはコケをたくさん集め、シュロの毛や羽毛など柔らかいもので作った産座に毎日1個ずつ産卵します。10個程度の卵を産み終わるまでは温めることはなく、最後の卵を産んだ日から抱卵を始めます。こうすることによってヒナのふ化が一斉に起こるようにしているのです。

産卵の期間は早朝、卵を産むとき以外、メスは巣の外で過ごします。出かけるときは産座の巣材をかぶせて卵が丸見えにならないようにする習性があります。写真の巣は全部で8卵産み込まれていました。あと2ー3日すると抱卵が始まることでしょう。

この時期、オスはいつもメスをエスコートしています。開葉のはじまったこずえを枝移りしていく小鳥たちにも春が感じられます。

※危険を感じると親が巣を放棄してしまうので、巣箱に触れたり中をのぞいたりしないようお願い致します。

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3月29日(日) 春の花々
研究員の村井です。園内は春の花で賑わっています。

私のおすすめをいくつか紹介しますと、まず山地草原・低地性区画のアセビです。
小さいつぼ型の花を多数つけ、特に下の写真の大きく育った数株はとても迫力があります。

次に「林床ひっそり系」では、岩礫地・山地性区画のイカリソウが見頃を迎えています。
花が船のいかりに似た面白い形をしており、葉や茎などは生薬にも利用される植物です。

その他にも園内の林床では、カタクリやムラサキケマンなどのひっそり系が続々と開花していますので、探してみてください。

園内散策にはよい季節ですので、春の花々を見にぜひご来園ください。

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3月28日(土) みんなで草抜き
研究員の奥山です。

昨日は毎月一回恒例の植物園スタッフ総出で行う植物園整備の日でした。2グループに分かれて、クレマチス園やサバンナ温室周辺の除草作業に勤しみました。

暖かくなって、様々な植物が芽吹くとともに、雑草や本来植えたところから外に広がった植物たちも勢いを増してきています。みんなで汗をかいて抜き取った植物の山をご覧ください。きれいな植物園を皆さんに見ていただくためには、このような作業が必要不可欠なのです。

植物園スタッフだけではなく、動物研究部など、科博の他のスタッフも応援に駆けつけてくれているんですよ。

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3月27日(金) アケビの花
こんにちは、事務のIです。

春の見ごろの植物が目白押しです!

写真はアケビの花です。
秋の味覚として知られるアケビの実は結構大きめですが、春には控えめで可愛らしい花が咲きます。
雌雄同株で、同じ枝に雌花と雄花がつきます。

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3月26日(木) これもサトイモ科
研究員の田中です。

サトイモ科といえば、今年の冬に植物園を熱狂させたショクダイオオコンニャクが有名ですが、早春の水辺にも見られます。水生植物区ではミズバショウが、中央広場では、このオロンチウムが、ちょうど見頃です。北アメリカ原産で、黄色く細長い花序(花の集まり)がこの時期の水面によく映えます。

ちょっと変わっているのは、サトイモ科の最大の特徴である、仏炎苞(ぶつえんほう:ショクダイオオコンニャクのあの巨大な覆いの部分、ミズバショウの美しい白い部分にあたります)がとても小さく、株元に隠れてほとんど見えないことです。

オロンチウムは、サトイモ科の中で原始的な種類であることがわかっているので、サトイモ科が誕生した後に、仏炎苞が大きくなるように進化したのかもしれません。

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3月25日(水) スダジイを剪定しました
育成管理室の二階堂です。

岩礫地植物(海岸性)区画の斜面際に立つ樹高17mのスダジイを剪定しました。
数日の園路閉鎖を伴う作業だったので、この度の連続する休園日は絶好の機会でした。

樹木剪定は2つの事を繰り返して行います。
1. 切りたい枝がある場所にたどり着く。
2. 切る際に自身の安全を確保する。
それを高木でも可能にするのがツリークライミングと言うロープワーク。正しく実行すれば絶対墜落しないと言う高い安全性があります。しかし、一か所のロープ支点からあちこちへの枝への移動が難しく、いつもそこで苦労します。今回の樹は樹冠が広かったので、ロープ支点を5回変え、それだけ登り直しを行いました。

ロープを登る際に掛かる荷重は、私の体重+ハーネスその他安全器具+チェーンソーと結構重く、大きい樹での作業はとにかく筋力と体力勝負。栄養ドリンクとサロンパスが手放せません。そんな肉体的に辛い労働なのに、体当たりで樹木という生物と対峙できるこの剪定という仕事が、どうにも私は大好きです。

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3月24日(火) ❀❀ 3月25日(水)より開園いたします ❀❀
新型コロナウィルス感染拡大防止のため2月29日(土)から臨時休園しておりましたが、3月25日(水)から開園することとなりました。

なお、当面の間、屋外エリアのみの公開となります。
密閉空間となる下記の施設はご覧いただけませんので、なにとぞご理解とご協力をお願いいたします。

見学できない施設
◆サバンナ温室、熱帯雨林温室、水生植物温室、熱帯資源植物温室、多目的温室、絶滅危惧植物温室
◆自然史標本棟1階の見学スペース
◆研修展示館(トイレのみ使用可)

また、ご来園の際は、感染予防(手洗い・咳エチケット)にご協力くださいますようお願いいたします。風邪のような症状がある場合は、御来園をお控えください。

春の植物たちとともに、みなさまのご来園をお待ちしております。

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3月24日(火) 準備中
こんにちは植物園の谷です。

臨時休園中の植物園では、開園を待ちわびながら職員がお客様をお迎えする準備を着々と進めています。

その一つ、園内へ出てすぐ左手の花壇にご注目ください!

季節に合った花々を植え替えていますが、今年は老朽化して座れなくなったベンチを活用して、思わず写真を撮りたくなるような素敵なレイアウトを考えています。

完成が待ち遠しい今日この頃です。
開園しましたらぜひ足を運んでみてくださいね。

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3月23日(月) 明日も休園です
堤です。

明日は開園しないことが決まったようです。
詳細わかりましたらまたお知らせいたします。
 

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3月23日(月) ウィルソンとさくら
堤です。

植物園は24日からの開園に向けて動いています。
23日中に正式にお知らせできると思います。

園内は春真っ盛り。染井吉野は3/22午前の時点で1〜2分咲き咲きといったところでしょうか。写真はちょうど見ごろのエドヒガン。

24日から開園すれば、教育棟で4/5までウィルソンの写真を展示する予定です。
(2019年4〜6月に上野で行った企画展「100年前の東京と自然 −プラントハンター ウィルソンの写真から−」の一部抜粋になります)。

屋久島のウィルソン株といえばご存知の方も多いと思います。この切り株はプラントハンターとして有名なアーネスト・ヘンリー・ウィルソンにちなんで名付けられたものです。ウィルソンは1914年2月に初来日し、まず訪れたのが屋久島、のちに3月下旬〜4月にかけて東京周辺のサクラの名所を訪れ、日本のサクラを見聞も含めて広く観察調査し書籍にまとめています。‘染井吉野’がオオシマザクラとエドヒガンの雑種という説を述べたのもウィルソンでした。

ウィルソンは多数の写真も残していました。ウィルソンの100年以上前の写真から、暮らしが劇的に変わったことがうかがえる一方、当時とかわらない木々の姿から、100年という時の流れは、木々にとってはわずかなのかと感じます。

サクラとともに、100年以上前のウィルソンの写真もお楽しみいただければと思います。

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3月22日(日) 知られざる名花アオカズラ
研究員の奥山です。

自然史標本棟のわきにつる植物コーナーがあるのはご存知でしょうか?
ここに僕のお気に入りの植物、アオカズラが植栽されていて、いま開花しています。9年前に東大小石川植物園から10cm程度の挿し木苗を分譲していただいたものが見事に生長し、いまではフェンスいっぱいに育ちました。僕自身も自生しているものは宮崎県で一度見たきりの、とても珍しいつる植物なんですよ。

春先に咲く可愛らしい黄色い花も見どころですが、秋には瑠璃色の対になった実をつけるのがチャームポイント。ルリビョウタンという別名で盆栽にも良いそうです。

やや目立たない箇所に植栽されている植物ですが、ご来園の際にはぜひ気にかけてあげてください。

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3月21日(土) ラッパだけじゃない、スイセン
研究員の水野です。

暖かい日が続いています。お庭や畑の脇で黄色い鮮やかなスイセンの花を見かけるようになりました。
植物園の温帯西区画もスイセンの花が見頃を迎えています。

実は、スイセンと一言で言っても、様々な花の形をした品種や種があります。イギリスの王立園芸協会(RHS)では、このような多様なスイセンを園芸的に13のグループに分けています。

写真は‘フェブラリーゴールド’という品種で、外側の花びら(正確には花被)がシクラメンのように反り返るグループ(division 6)です。この品種の成り立ちにはナルキッスス・キクラミネウス(N. cyclamineus)が関わっています。この他にも、よく見ると、花や草姿に様々な特徴を持つスイセンがあります。


この記事を読んでスイセンの奥深さに気付いてしまったあなた。きっとこれから、道端で見掛けるスイセンがどのグループに分けられているのか、気になって仕方ないことでしょう。

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3月20日(金) ヤナギしなやか
こんにちは。登録室のuです。

W7砂礫地(山地性)エリアなどで、ヤナギ各種がちょうど花の時期を迎えています。

つぼみはまるで、ふわふわした毛皮のコートをまとっているかのよう。やがてその毛皮を脱ぎ捨て、中から花が現れます。ほっそりしたおしべが穂になっている姿は、やわやわとはかなげながら芯の通った生命力に満ちています。しばし時を忘れて見入りました。

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3月19日(木) 野菜の花
研究員の國府方です。

筑波実験植物園では野菜コーナーがあります。
ここでは、色々な野菜に花を咲かせ、野菜を植物として観賞して頂いています。特に春は多くのアブラナ科の野菜などの花の季節です。

その季節が始まり、チンゲンサイやブロッコリーの花が咲き始めました。

野菜はとても馴染みのある植物ですが、その花を観る機会はなかなか無いと思います。5月上旬くらいまで見頃ですので、是非、この機会に野菜の花を観賞してみてください。

ちなみに上野本館で近日中に開催予定の特別展「和食展」(開幕未定)では、このコーナーで採集された花が咲いた野菜の植物標本を展示します。

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3月18日(水) シデコブシ
研究員の奥山です。

水生植物区に可憐なシデコブシの花が咲いています。世界で愛知県、岐阜県、三重県の一部にしか自生しない大変貴重な花木です。

まだあたりの植物はほとんど芽吹いていないのですが、わずかにハンノキの枝先に小さな新芽が見えてきたり、春の息吹を感じます。
そんな中でもこのシデコブシの花の美しさは格別に感じられました。

奥山雄大

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3月17日(火) きょうのコンニャク
植物園・ゆかです。

1月にみなさまにご覧いただいた、あの臭くてでかいショクダイオオコンニャク。

いま鉢にこんな大きな穴があいています。花が終わるとまもなく、2mを超す高さに伸びた花茎の細胞が自己消化してくずれ始めます。最後は跡形もなくなりこんな姿に。でも土の奥深くには巨大なイモが残っているので、しばらくすると新しい葉芽がずんずん伸びはじめるでしょう。

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3月16日(月) シュンラン
こんにちは、事務のIです。

名前の通り、春の訪れを告げる植物、シュンラン(春蘭)です。

花の色は先端の黄緑から中心のピンクに向かってグラデーションがかかっています。おしゃれな春らしい装いに思えます。

ハクモクレンのように勢いのある樹木からはパワーをもらい、春蘭のように可憐な植物には心が癒されます。

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3月15日(日) ハクモクレン
こんにちは!登録室の永田です。

臨時休園中の植物園ですが、園内では春を感じた植物たちが
ルンルン♪と活発に動き出しています。

長い期間寒風に耐え、細かい毛に覆われていた蕾から
真っ白な花を紺碧の空に向かって
うんと背伸びするように咲かせ始めたハクモクレン。

「頑張って!」って応援してくれているように感じます。

時間が経てば、いろいろな変化があるでしょう

皆さまと笑顔で会えますように。
皆さまと植物園で会えますように。

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3月14日(土) 春が来てしまう!
研究員の田中です。

私にとって、否が応でも春の訪れを意識するのが、コシガヤホシクサの野生復帰地での試験区作りです。野生絶滅種を野生に戻そうと始まったこのプロジェクト、準備に明確なデッドラインがあります。復帰地の砂沼(下妻市)では、4月1日前後に必ず水位を上昇させることになっているため、気温が上昇する3月初旬から1ヶ月の間に試験区作製と種まきをすべて完了させる必要があるのです。

写真の胴長は、水漏れチェックをした後に乾燥させたところです。この他合わせて、合計15本の胴長(とそれを着る人)が砂沼で作業をします。春の訪れは楽しみ、でもちょっとゆっくりお願いします。。という心境です。

コシガヤホシクサは、植物園の中央広場で今年もご覧いただけます。
体験講座も行いますので、興味のある方はぜひご参加ください。

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3月14日(土) 余寒 杏の花
植物園・ゆかです。

水曜、杏がふわっと咲きました。たった1日で世界が変わりました。この驚きが、いのちと向き合う植物園の仕事のたのしさです。

それにしても、すっかり衣替えした杏には気の毒な今日のつくば。みぞれまじりの雨の中、憂いをおびた花をいとおしく思います。

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3月13日(金) 野鳥は羽を伸ばしています
登録室のPです。

閉園中ですが、毎週の開花調査はしっかり続けています。
暖冬のせいで今年は全体に春の花の開花が早いようです。早く開園できる状態になってお客様に見ていただきたいなと思いながら写真を撮っています。

この園内開花調査は2002年からほぼ毎週定期的に続けられてきました。もともとはお客様に見ごろの花をご紹介するために始められたとのことですが、一方でほぼ20年にわたる園内の植物の開花時期の変動がわかる貴重な記録になりつつあります。

さて、お客様のいない静かな園内で心なしかいつもより羽を伸ばしているように見える野鳥たちです。今日も水生区の池でまったりと泳ぐカモの群れ、池の中のお客様用歩道をすっかり油断して歩くカルガモたちの姿が。私が近づくと「あっ、きたぞー」と一斉に対岸に移動していきます。バタバタと慌てふためいて池の上をぴょんぴょん跳ねて逃げる鳥も。学校の教室とか、思い出しますねえ。

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3月12日(木) 休園日にしかできない植物園の仕事
育成管理室の二階堂です。

2月29日より臨時休園となり、現場では園内の仕事が休みになったと思われるかもしれませんが、実際にはまったくそんな事ありません。

植物園では普段の休園日にどんな作業をしているかと言うと、大掛かりな高木剪定や土木作業などです。これは、開園日に行うと来園者への安全確保が大変だからです。

なので、私は3月2日以降、本来なら週1日程度行うそんなハードワークを毎日行っています。一昨日は太陽が隠れる待ちに待った雨天だったので、熱帯雨林温室の高木剪定を行いました。

温室の樹木はあまり根を張らず細く高く成長しがちで、枝を掴んで登ると倒れてしまいます。そんな樹木の梢へのアプローチは、温室の梁からロープでぶら下がります。その作業の何が辛いと言ったら、天井付近の温度が晴天なら40度を超える事です。

この日は雨天で太陽が見えないのに、それでも全身汗でびしょ濡れになりながら剪定を行いました。作業が終わり周囲を改めて見ると、温室内が大変明るい!

これで様々な植物が若返る事を想像すると、体はくたくたに疲れているのに、明日はどの高木に登ろうかとやる気が出てくるから不思議です。

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3月11日(水) 育ってます。
こんにちは。登録室の武士です。

あたたかかったり、さむかったりの日が続いています。

2月の終わりぐらいから姿を見せ始めていたフキノトウが
今日はこんなにおおきく育っていました。

小さいうちはおいしそうだな目線で見ていたのに、
今日の私に食べたい気持ちはなくなって、
大きく育つんだよ♪と
おいしそうだな目線から保護者目線に変わったのでした。

ちなみにフキノトウの先についている白いちょんちょんしたものは
花のあつまりなんですよ。

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3月10日(火) クレマチス園公開の準備中です!
研究員の村井です。私の担当区の一つであるクレマチス園では、
4月29日(水・祝)からはじまる特別公開に向け準備を進めています。

日本屈指の種類数(展示株だけでも250種類ほど)を保有しており、
剪定や誘引をはじめ、クレマチスを弱らせているモグラへの対策、
さらに植えかえもしやすい時期のため、公開前から大忙しです。

今年の公開では、「野生のクレマチス」を中心にご紹介する予定です。
また新しく導入したクレマチスや、仕立て方を変えた種類などもあります。
近年ウェルカムフラワーとして大活躍中の「オベリスクおもてなし隊」(写真)も芽出しのスタンバイ完了です。

公開期間中は、なるべく多くの方にクレマチスの魅力をお伝えしたいと考え、展示案内や特別セミナー、栽培講座など、関連イベントも盛りだくさんです。

今年は暖冬の影響もあり、早いうちから芽が動きはじめている株が多いので、クレマチスの咲きはじめも早そうです。

早咲き(4月下旬〜)から遅咲き(5月後半〜)まで、多彩な花々のリレーが楽しめます。クレマチス園公開にぜひお越しください。

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3月9日(月) 花盛り
こんにちは。植物園の谷です。

臨時休園中の植物園ですが、施設内の花々はそんなことお構いなし、マイペースに花を咲かせています。

私も春の暖かな日差しの中、園内の古くなった樹名板の取り換え作業をしました。

樹名板を交換したサバンナ温室の西側のクリスマスローズを見てみれば、白くて大輪のニゲル、白地に少し赤い縁取りのあるアブルジクス、茄子紺色の小さい花が魅力的なクロアティクスなどが盛んに咲いていました。

その他にもトサミズキやミスミソウなどが池周辺で咲いていますし、早咲きのオオシマザクラも森の中で咲いています。

一日も早く皆様とこの感動を分かち合いたいと心から願っています。

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3月8日(日) 寒さを乗り切れ!アガベ・フェロクス
堤です。

いったいどこまで大きくなるのかと不思議に思っていた巨大なアガベ・フェロクスですが、この冬の寒い中、花芽があらわれはじめました。この時期になぜ・・・と思いつつ、寒さを乗り切ることができるかどうか皆で心配していましたが、少しずつ成長している様子が見られます。葉も大きいですが、花序も7〜8メートルにもなることが知られていますので、どこまで伸びるか楽しみでもあります。メキシコ原産で、アガベ・サルミアナの変種とされることもあります。他のアガベと同様、開花すると枯死すると考えられます。

 サバンナ温室の外の少し奥まった場所に植栽されているにもかかわらず、巨大なせいか気にかけてくださる方も多く、いつ頃咲きますかとよく聞かれます。定かではありませんが、まだまだ時間はかかると思われ、4月末以降になるのではと考えています(外れたらごめんなさい)。なるべく定期的に見ごろの植物などでも取り上げていきたいと思います!

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3月7日(土) 植栽をリニューアルしてお待ちしています!!
研究員の水野です。

現在、植物園に入ってすぐに見える花壇の区画では、植栽のリニューアルを行っています。この区画では、色とりどりの様々な観賞植物を見ることができます。

中でも、ひときわ目を引くのが、写真の斑入りセイヨウダンチクです。今の時期は分かりづらいですが、葉っぱに白い筋状の斑が入る美しい栽培品種です。見ての通り、とても大きいです(となりの人の身長は175cmあります)。写真は移植後の様子ですが、植え替えの作業にはバックホーも出動しました。暖かくなれば、ここからさらに、ぐんぐんと大きくなり、とても迫力のある姿になるでしょう。一方、繁茂し過ぎて周囲に広がらないように、根っこの周りを専用の資材で覆う工夫もしています。

多くの植物が植わっている植物園ですが、屋外班のスタッフは皆、それぞれの植物の特性を見極めて、より良い状態で来園者の皆様にご覧になっていただけるよう、日々検討を重ねています。

開園する頃にはどのように変わっているのか、今から楽しみになってきました。

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3月6日(金) 木道そばに訪れる春
こんにちは。研究員の奥山です。

次第に春の気配が濃くなってきた植物園ですが、水生植物区隅っこの小川にある木道のわきにはひっそりと春の花が咲き始めました。
コチャルメルソウです。

地味で遠目からはわかりにくいですが、雪の結晶のような繊細な美しさの花が魅力です。
木道に這いつくばってのぞき込むのが通の楽しみ方ですよ。
あ、夢中になって他の方の通行の妨げにはならないようにお気をつけくださいね。

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3月5日(木) カタクリが出てきました
こんにちは。登録室のuです。

このところ日差しがずいぶん明るくなってきましたね。園内でも、そこここに春の気配が感じられます。現在臨時休園中のため、植物の見ごろ情報発信は休止していますが、開花調査は通常通り行っています。今週の開花調査では、暖温帯落葉広葉樹林エリアでカタクリのつぼみを見つけました。そろそろかな、と落ち葉のつもった地面を眺めていると、茶色の斑が混じった独特な姿の葉がちらほら。おお、出てきた出てきた!とうれしくなり、さらにじっくり見ていると、つぼみのついた株も発見。もうすぐ可憐な花が見られそうです。

皆様にも春の植物園を楽しんでいただける時が早く来ますように。

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3月4日(水) これも花
研究員の國府方です。

いま、多目的温室ではオキナワスナゴショウの花が満開です。
といってもとても花にはみえませんね。
写真の穂のまわりにポツポツとついているのが花です。

オキナワスナゴショウの花は他のコショウ科の仲間と同じように
花弁と萼片がなく、めしべとおしべだけで構成されています。

このオキナワスナゴショウは九州〜琉球列島にかけて分布する
日本の固有種で、集団数が少ないため環境省の絶滅危惧種に
指定されている希少な植物です。

花は今後2週間はみられると思いますので、3月16日以降、
是非ご覧になってください。
そのときには他にもオリヅルスミレ、アマミスミレなどがちょうど
満開になると予想しています。

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3月3日(火) カンアオイコレクション特別展示、ご来園ありがとうございました
こんにちは。研究員の奥山です。

筑波実験植物園でのカンアオイの特別展示は2/29からの臨時閉園のため残念ながら予定より一日前倒しで終了となってしまいました。
展示をご覧頂いた方、誠にありがとうございました。また、2/29日にご来園いただく予定だった方、ご覧いただけず、大変残念でした。

今回の展示は、40種ものカンアオイの仲間の花を同時にご覧になれたという点で、他に類を見ないものだったと自負しています。

カンアオイの仲間の多くは春ないし秋に開花します。これらをまとめて2月に展示できたのには、いくつか理由があります。まず、カンアオイの花はすごく花持ちが良いこと。昨年秋から冬にかけて咲いたものも、低温で維持することで展示することができました。
また、研究用に一つの種あたりでも多くの株を保有していたため、花の状態が良い株を選び出して展示できたことが大きいです。これは展示のためではなく、研究用に植物をコレクションしている筑波実験植物園だからこそできたことだと思います。
写真は植物園バックヤードで管理しているそのカンアオイの研究用コレクションです。これでも全体の半分ほどなんですよ。

なお、再開園した暁には、遅咲きの種を中心に、絶滅危惧植物温室でこれらのコレクションからなるべく多くのカンアオイを再び公開したいと考えております。お楽しみに。

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