概要

概要 〜多様性を守る〜

当園は、筑波山の南裾にひろがる緑ゆたかな自然あふれる植物園です。国立科学博物館が植物の研究を推進するために設置した機関です。およそ14ヘクタールの敷地には、日本に生育する代表的な植物をはじめ、世界の熱帯や乾燥地に生育する植物、私たちの生命(いのち)を支える植物、筑波山で見られる植物など、7000種類を超える植物が植栽され、3000種類をご覧になることができます。

航空写真

園内マップ

「概要_筑波実験植物園リーフレット」 (PDF:1.5MB)

園の全体図

植物園全体図

世界の生態区

生態区は冷温帯から熱帯までの植生がみられます。屋外は日本の暖温帯から冷温帯までの植生で、4つの森林区、低木林、山地草原、砂礫地、岩礫地、水生植物の計9区画と、熱帯雨林、サバンナ、水生の3温室、およびその周辺に関連する外国の温帯植生が見られます。

生命を支える多様性区

今日、地球上に知られる約27万種の植物のうち、数万種の植物が私たち人類の生活に直接的に利用され、全ての種が生態系や光合成による空気の浄化など間接的に私たちの生活に関与しています。私たち人類の生命は生物多様性によって支えられています。
ここでは衣食住に利用される植物、ハーブや薬として利用される植物、文化や科学史上に登場する植物などを植栽展示し、生物多様性の重要性を社会発信しています。

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ラベルの見方と新しい分類について

筑波実験植物園の受命板

筑波実験植物園では、DNA分類体系にもとづいた樹名板表示をしています。

【分類体系の変革期-APG分類体系とは何か?】

近年、植物の分類が大きく変わりました。

ダーウィンによって「生物は神が創造したものではなく、共通の祖先から進化を続けて多様な種が生まれてきた」ことが示されて以来、生物の分類は、その進化の道筋(=系統関係)をできるだけ反映するように考えられてきました。そのために世界中の植物学者が、植物の根、茎、葉、花、果実などの形を詳しく調べて、様々な植物種の間の系統関係を探ろうと研究してきました。しかし、形を見た場合、系統関係が近いから似ているのか、同じような適応進化の結果似てしまったのか、あるいはどの器官の部位が系統関係をよく表すのか、判断が難しい場合があります。

これに対して、1990代から、DNAの配列情報を用いた分子系統解析が可能となり、様々な植物種間の系統関係が高い信頼性をもって明らかになってきました。その結果、それまでに使われてきた分類体系は、本当の進化の道筋を表していない部分があることが明らかになってきました。その中で、被子植物に関する世界中の研究成果を、被子植物系統学グループ(Angiosperm Phylogeny Group: APG)という研究組織が集積して体系化したものが、APG分類体系です。同様に、シダ植物と裸子植物についてもDNA情報に基づいた分類体系が示されており、植物の分類は、まさに変革期を迎えているのです。

これによって、これまでの常識がいくつも覆されてしまいました。例えば、双子葉植物は大きく2つのグループに分かれてしまい、離弁花類と合弁花類は分けることに進化的な意味が無いことが示されました。また、多くの植物種で所属する科が変わりました。例えば、カエデ科は無くなりすべてムクロジ科へ、スズランはユリ科からクサスギカズラ科に、という具合に。

筑波実験植物園では、すべてのラベル表示をDNA分類体系に移行しました。最初は、慣れない分類に戸惑うかもしれませんが、この新しい分類体系を知ることは、進化の道筋を知ることです。この機会に、植物の科名を覚えて植物の進化の歴史に思いをはせる、というのはいかがでしょう。

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