「水草展 2013」開催期間:8月10日(土)~8月25日(日)※12日と19日は休園筑波実験植物園TOPへ
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水草展

2013/6/19(水)

バイカモと藻類

水草展を手伝っている筑波大学の小野です
今年の水草展のテーマは「流れ」ですが、バイカモはまさに流れの中に生息する水草です。しかし、バイカモは水槽内での栽培が非常に難しいのです。

そのため、私たちは水草展での展示に向けて、光量や水温、水中のCO2濃度、
底に敷く砂や土など、手を変え品を変え、バイカモのご機嫌をとりながら
栽培試験を重ねてきました。

そして、ようやく栽培のコツがある程度つかめてきたところで浮上してきた問題が
「藻類の大発生」です。

バイカモが好む高光量でCO2濃度が高く、土壌に栄養がある状態は
藻類にとっても好環境なのでしょう。
バイカモを植え付けて、調子が上がってきたころに藻類も発生します。

藻類だらけのFRP水槽
流れが当たらない部分には特に藻類が多くみられます。
葉が藻類に覆われてしまうと、バイカモは光合成できなくなってしまいます。

葉に付着した藻類は手で取り除くのは困難で、私たちも手を焼いていました。
そこで、少し手荒ですが、一番楽に取り除くことができるのが
バイカモにホースで思い切り水を当てて藻類や枯葉を一気に
吹き飛ばして流してしまう方法です。

藻類や枯葉を押し流して水量を増やしました。水量を増やしたFRP水槽

藻類の付着は水の通りが悪いのも原因があります。
伸びすぎた部分を剪定します。
剪定後のFRP水槽
これで、1週間くらいは藻類がおとなしくしてくれます。

水槽内でのバイカモの栽培自然の河川は水槽とは比べものにならない水流・水量があり、
砂粒もたくさん流れてくるので藻類はほとんど押し流されてしまうと思われますが、
人工栽培は自然界とは条件がいろいろ異なるため、試行錯誤を繰り返して
藻類と戦っております。