「水草展 2013」開催期間:8月10日(土)~8月25日(日)※12日と19日は休園筑波実験植物園TOPへ
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水草展

2013/7/10(水)

いつまでも変わらないで

水草調査メンバー

水草展リーダーの田中です。本日も西表島です。
朝から夜までの海調査でへとへとで、あと5分で寝てしまいそうです。
そこで、難しいことはやめて、今日の盛りだくさん過ぎる出来事を思うままに紹介します。

水草調査メンバー
島の北東部の海岸。コアマモという海草の生育地です。以前から研究している植物なのでサンプリングは必要なく、ちゃんと生きているかの確認です。

樺太からベトナム(そして実はヨーロッパ、北米にも)まで分布するコアマモの、地域ごとの遺伝的な特性が頭に入っているので、この群落からびゅーっと上空に上昇して地球全体のコアマモの様子が見えるようなイメージが沸いてきて、ちょっと感慨深いのです。(水草展でも展示します)

昼近くになって突然のスコールが。そして、土砂降りの車道に珍客。
水草調査メンバー
天然記念物のセマルハコガメ!感動です。

スコールが過ぎて、待望の日差しが再び。
そして、日本では八重山諸島にしか生育しないウミショウブです。
水草調査メンバー

水草調査メンバー

ウミショウブの花の蕾の採集も、今回の調査目的の1つです。
成熟した花なら、目で見えますが、花が形成される前の小さな蕾なので、株元が膨らんでいる個体を探して、葉の付け根をひたすら探します。

この写真はほぼ成熟したもので、たくさんの雄花(粒粒した白いもの)が見えます。
これが浮上すると、花びらが開いて、水面に浮かんで、水面で受粉します。(水草展で映像が見られます)

海草の群落の中には、カクレクマノミ。
水草調査メンバー

学生のころから、20年くらいの間に10回ほど訪れたことになるホームフィールドです。こんな豊かな自然ですら、来る度に水草の生育地が改変してしまったりしています。首都圏に住む者のエゴかもしれませんが、どうかこの自然がそのまま残って欲しいと思います。

今回登場した水草も、水草展2013に、写真や研究成果、そして映像として登場します。
その素晴らしい自然と水草たちにもどうぞご注目ください。