水草展2017ブログ
筑波実験植物園

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2017/7/14(金)

会いに行けなくなりました

水草展リーダーの田中です。

残念なお詫びのお知らせです。
先行して公開していた水草展ホームページでお知らせしていました「会いに行ける水草」(つくば市周辺で見られる水草を紹介するコーナー)は中止にせざるをえなくなってしまいました・・・事の顛末をお話します。

私がつくばに住み始めたのは1998年です。その頃は、近くの池や水路などでも、色々な水草を見ることができました。これだけ都市化されたつくば市の周辺でも、身近なところに野生の水草を見ることができることをお伝えしたかったのです。もちろん、その後の変化も認識していたつもりだったのですが、この企画を実施するにあたり、改めて各水域を確認してみると、もはや紹介する水草が無い・・・という事態に。

例えばこのつくば市内の池は、2000年頃までは、ササバモ、クロモ、サンショウモ、トチカガミなど霞ヶ浦水系の典型的な日本の水草を見ることができたのですが、5年ほど前から外来種のオオフサモ、ハゴロモモなどに置き換わってしまいました。それはそれで紹介しようと思っていたのですが・・・

今年になって、この状況。もはや外来種もいません・・・
同様な池は近くにもありまして、状況がよくわかりません。

ここは、土浦市の水路ですが、数年前までは、リュウノヒゲモ、ササバモ、エビモなどが豊富に生育していましたが、水路のほとんどが道路の下になってしまい、水草は風前の灯火状態に。

この他にも、多くの水田や水路などで同様なことが起こっていまして、もはや展示する水草がほとんど無い、という状況です。

「会いに行ける水草」を楽しみにされていた方には大変申し訳ありません。そんな現実もあることを知っていただきたいですが、もう少し足を伸ばせば、まだまだ色々な水草に出会えます。現実は直視しつつも、水草展を通して野生の水草に出会う楽しさも知っていただきたいと思います。